関節とヒアルロン酸
関節とヒアルロン酸の関係
関節軟骨は、軟骨細胞と細胞外基質で構成されています。
軟骨細胞は全体の10%程度で、大部分を細胞外基質が占めています。
細胞外基質、Ⅱ型コラーゲンとヒアルロン酸を含むプロテオグリカンで構成され、軟骨への荷重や摩擦のストレスに耐えられる構造を形成しています。
関節腔内を満たす関節液には、滑膜から分泌されるヒアルロン酸が含まれています。
関節液は、ひざの動きを滑らかにし、軟骨の擦り減りを防ぐ役割があります。
関節液には高濃度のヒアルロン酸が含まれていて、関節軟骨が滑りあう際の摩擦係数をほぼゼロに抑えています。
ヒアルロン酸の安全性
ヒアルロン酸は、生体内では皮膚、関節液、血管、血清、脳、軟骨、心臓弁などあらゆる結合組織、器官に存在しています。
特に関節液には非常に高濃度のヒアルロン酸が分布しています。
ヒアルロン酸は、「平成8年度厚生省科学研究報告書」において安全性が確認されています。
ヒアルロン酸を摂取することによる変形性膝関節症に対する有効性
関節軟骨の変形、関節の疼痛、炎症などを伴う変形性膝関節症の発生頻度は50歳を過ぎると急激に増加し、60歳以上のヒトでは約40%が症状を有し、約10%が日常生活に支障をきたしているといわれています。
また、関節液中のヒアルロン酸濃度は、加齢とともに減少することが確認されていて、変形性膝関節症の進行との関連が注目されています。
一方で、ヒアルロン酸の経口摂取による変形性膝関節症の改善効果が報告されています。
※経口摂取とは、注射ではなく、口から飲むことです。
日本では50歳以上の変形性膝関節症の男女15名を対象として、240mg/日の高純度ヒアルロン酸(キユーピー、ヒアベスト(J))を毎日12週間摂取させる試験を実施し、「変形性膝関節疾患治療成績判定基準」、「日本版変形性膝関節症患者機能評価表」ともに有意な改善が認められています。
関節痛改善のメカニズム
関節に何らかの負担が発生すると、様々な反応が起こり、損傷や痛みが生じます。
関節内では滑膜細胞の増殖や一酸化窒素の発生、各種細胞外基質分解酵素の産生・活性化が生じ、これにより軟骨細胞は分解されます。
さらに炎症作用を有するサイトカインが、痛みの原因物質の分泌を促して痛みを感じさせます。
経口摂取したヒアルロン酸は胃を通過し腸管に到達します。
腸管上皮にはトール用受容体という受容体があります。
トール用受容体にヒアルロン酸が結合することで、痛み抑制に関与する連鎖反応のスイッチが入ると言われています。
いくつかの連鎖を経て、炎症を抑える作用を有するサイトカインの発現を促進するタンパク質の発現量が増加し、炎症を抑える作用を有するサイトカインの血液中における量を増加させ、痛みが軽減される可能性が報告されています。
その結果、炎症作用を有するサイトカインを抑え、炎症と軟骨破壊を伴う関節の痛みを軽減すると考えられています。
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