カリウム
次のような働きがあります。
細胞機能の維持
細胞が活動するためには、その内外に水分が必要です。
細胞内の水分(細胞内液)にはカリウムが、細胞外の水分(細胞外液)にはナトリウムがそれぞれ多く含まれています。
これらの濃度やバランスは、細胞の水分の量や浸透圧に影響を及ぼすので、細胞の膜にはカリウムとナトリウムをくみ出すポンプ機能がついていて、つねに適正な濃度を保つように調節されています。
すなわち、カリウムとナトリウムのどちらが欠けてもそのバランスがくずれ、生命活動の基本単位である細胞は機能しなくなります。
カリウムはナトリウムとともに生命活動そのものを維持しているともいえます。
両者のバランスが一定に保たれることによって、細胞内外の水分調節や物質交換が行われています。
余分なナトリウムの排泄(むくみ解消・高血圧予防)
カリウムは、体内のナトリウムが過剰になると、その排泄を促します。
カリウムは、細胞内のナトリウム量を調整し、余分なナトリウムと水分を細胞の外に排出します。
また、ナトリウムが腎臓で再吸収されるのを防ぎ、尿への排泄を促します。
そのため、カリウムを摂取することは、体内のナトリウム(塩分)の減少と、それによる血圧の正常化(高血圧の予防)、手足のむくみ解消に効果があります。
ナトリウムが過剰となり、カリウムが不足すると、血圧が上がりやすいうえ、心臓の筋肉や血管の働きが衰え、心臓病や脳血管障害の危険性が増します。
これを防ぐには、塩分の過剰摂取を控え、カリウムを十分摂ることが大切です。
むくみケア
むくみとは細胞内に余分な水分がたまってしまった状態のことです。
栄養素や酸素と一緒に細胞に運ばれた水分が、静脈やリンパ液の中にスムーズに回収されなくなるために起こります。
体内の水分調節をスムーズにしてむくみを防ぐうえで大切なのは、ナトリウムとカリウムのバランスです。
細胞内の水分は、ナトリウムがポンプ役となり、水を吸いあげて調節しています。
しかし、このポンプが正常に機能しないと細胞が水ぶくれ状態となり、むくみが起こります。
カリウムには、余分な水分を排出させることでナトリウムポンプを正常に機能させる働きがあります。
足のむくみは、その日のうちに解消することが重要です。
むくみを放置しておくと、周囲の毛細血管が圧迫され、むくみがさらに進行します。
それによって、ますます血行が悪くなります。
また、皮下脂肪の脂肪球という細胞が必要以上に水分を吸収して大きくなることもあります。
むくみを解消するには、カリウムの摂取、運動や入浴、マッサージで血液やリンパ液の循環を良くして、水分の排出をスムーズにしてあげるケアが大切です。
筋肉の収縮・弛緩
筋肉の収縮・弛緩の働きを正常に保つために働いています。
カリウムは細胞内の酵素反応を調節する働き役割があり、筋肉でのエネルギーづくりにも関与しています。
カリウムは筋肉細胞に60%近く含まれます。
神経の伝達
神経伝達を正常に保つために働いています。
美肌
カリウムはNMF(天然保湿因子)の構成成分です。
カリウムが不足した場合
カリウムが不足すると、高血圧、手足のむくみ、糖尿病、神経障害、精神障害、ストレス、食欲不振、筋力低下などの症状があらわれます。
カリウムの摂取量が不足していると、余分なナトリウムの排泄が滞るため、高血圧や手足のむくみを引き起こしやすくなります。
また、筋肉の働きが低下したり、けいれんを起こしたりします。
夏場に大量の汗をかくと、カリウムが汗とともに排出されて、低カリウム血症が起こり、疲れやすくなったり、無気力になったりすることがあります。
これは夏バテの原因にもつながります。
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