水道水由来の白い付着物の正体は?取り方は?嘘の情報に注意!
『カルキが原因』という記事を多く見かけます。
カルキは消石灰(水酸化カルシウム)に塩素を吸収させてできる白い粉末状の物質で、次亜塩素酸カルシウムと呼ばれていると記載のある記事も存在。
【水道水のカルキ】とは?
カルキというのは、一般的に水道水中の残留塩素のことをいいます。
残留塩素が固まることはありません。
『カルキ=ミネラル』という間違った使い方をしているものがネットに多くあります。
水道局などに相談する際には、注意してください。
水道水中のミネラル分が付着して色が着いたり、塊ができることがあります。
その解説や対策をこの記事ではご紹介しています。
参考までに残留塩素の元は、浄水場で細菌の消毒用に注入しているNaOCl(次亜塩素酸ナトリウム)という薬品です。
厚生労働省水道課から、水道における衛生上の措置の徹底が水道事業者に通達されています。
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/hourei/jimuren/h14/dl/061219-1.pdf
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/hourei/jimuren/h14/dl/060912-1.pdf
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/hourei/jimuren/dl/101202-01.pdf
白い異物の正体
白い異物は、水道水中に含まれている≪カルシウムやマグネシウム、ケイ酸≫などが原因です。
水分が蒸発する過程で、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ(二酸化ケイ素)といった水に溶けない物質に変化します。
これが、白い異物の正体です。
水道水中にはミネラル分が含まれていて、適度に含まれることによって水の味を良くしています。
このミネラル分は水が蒸発してもあとに残ります。
このため、水を使った時に飛び散った水分の蒸発後に白いはん点ができ、これが繰り返されて厚みのある『白い付着物』になります。
また、ヤカンで長時間加熱を続けたり、湯沸かしポットに水のつぎ足しを繰り返していると、水中のミネラル分濃度が高くなり、器具の内側に『白い付着物』が見られることもあります。
白い異物の成分
カルシウム、マグネシウムの①硫酸塩、②炭酸塩、③ケイ酸塩(シリカ)です。
ミネラル分とは?
ミネラル分とは、人体に必要なカルシウム、マグネシウム、ケイ酸などの鉱物性栄養素に含まれるもので、適度に含まれていると水がおいしくなります。
厚生労働省では、健康な個人または集団を対象として、国民の健康の維持・増進、生活習慣病の予防を目的とし、エネルギー及び各栄養素の基準を示すものとして『日本人の食事摂取基準』を公表しています。
現在の『日本人の食事摂取基準』(2015年版)では、カルシウムの摂取量は1日400mgから1000mg、マグネシウムの推奨量は1日70mgから370mgで、年齢・性別により異なります。
現在は、日本人の食事摂取基準』(2015年版)を使用
使用期間:平成27年度から平成31年度の5年間
近々、日本人の食事摂取基準』(2020年版)が採用される見込み
使用期間:令和2年度から令和6年度の5年間。
【疑問点】白い異物がなかなか取れにくいのはなぜ?
取れにくい原因1
白い異物が取れにくい原因の一つは、その硬さにあります。
シリカはガラスと同じ成分のケイ酸が結合して出来た物質です。
炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムも、シリカと同様に硬い特徴があります。
一度白い異物が付いた場所は水滴がとどまりやすくなります。
水滴の付着と乾燥を繰り返すうちに積み重なって厚みを増していきます。
この状態になってしまうと普通のスポンジでこすっても壊れなくなります。
取れにくい原因2
取れにくいもう一つの原因は、ガラスや金属などの表面と強く結合する性質があるためです。
陶器やガラスにも、シリカと同じケイ酸が含まれています。
これらが「共有結合」と呼ばれる原子レベルの強固な結びつきを生み出し、表面にしっかり張り付いてしまいます。
蛇口の場合は、メッキに含まれるクロムと共有結合します。
≪白い異物は色が変わることも≫
本来は、白色なのですが、黒ずんでいたり褐色に見えたりすることもあります。
これは空気中のカビが繁殖したり、人の皮脂などが付着したりするためです。
異物自体は不衛生ではなく臭いもありません。
ただ、材質の表面がざらつくため、雑菌が繁殖しやすくなります。
見た目もよくないので、早めに取り除きたい方が多いかと思います。
≪白い異物の落とし方≫
予防として水分を放置しないで、タオルなどで日常的に拭く
異物は、積み重なって厚みが増すほど取れにくくなります。
水滴の段階で拭き取ってしまうことが一番の予防策です。
こまめに拭き取っておけば、後々お手入れが楽です。
白い異物は水に溶けないので、熱いお湯で洗っても取れにくい特徴があります。
≪白い異物ができてしまった場合≫
①基本的にクエン酸洗浄
②クエン酸洗浄でだめならメラミンスポンジ
クエン酸は、ドラッグストアで
メラミンスポンジは、スーパーや100円ショップで手に入ります。
≪カルシウムやマグネシウムの①硫酸塩、②炭酸塩の場合≫
クエン酸洗浄で落とすことが可能です。
ある程度、なじませる必要がありますので、2~3時間程度、白い異物にクエン酸をかけて汚れが浮いてきたら水拭きして仕上げます。
汚れが落ちない時は、放置時間を長めにすると落ちやすくなります。
※重曹はアルカリ性なので、落とす効果は期待できません。
≪カルシウムやマグネシウムの③ケイ酸塩の場合≫
クエン酸洗浄では、基本的にはなかなか落ちません。
メラミンスポンジを使う必要があります。
メラミンスポンジは、メラミン樹脂という硬い樹脂をミクロン単位で泡状に発泡させて作られています。
洗面台の材質によってはメラミンスポンジを使うことも可能です。
≪メラミンスポンジ使用時の注意点≫
洗面台がメラミンスポンジよりも柔らかい素材でできていると傷が入ってしまうこともあるので注意が必要です。
メラミンスポンジが向く掃除場所は、蛇口や排水溝周りのステンレス部分です。
≪メラミンスポンジで異物が取れる仕組み≫
メラミンスポンジは発泡させて作るので、細かい網上の空洞ができます。
メラミンスポンジにできた細かい網目が汚れを削りながらかき出す仕組みになっています。
汚れを削りながら落としていくので、洗面台の素材によっては使えないものもあります。
洗面台に使うときは説明書を読んで、メラミンスポンジが使用不可になっていないかチェックしてから使用します。
説明書がない。。。
といった場合には、洗面台の目立たない部分で試してから使うことをおすすめします。
読んでいただきありがとうございました。
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