トリハロメタンは加熱によって除去できるが注意あり!加熱の仕方・時間に注意!
加熱によるトリハメタンの変化については、いろいろな文献が出ています。
トリハロメタン
クロロホルム(水質基準項目)
ジブロモクロロメタン(水質基準項目)
ブロモジクロロメタン(水質基準項目)
ブロモホルム(水質基準項目)
総トリハロメタン(水質基準項目)
総トリハロメタンとは、クロロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン及びブロモホルムの4物質の総称です。
発がん性や変異原性の懸念がある物質です。
※変異原性(遺伝子を傷つけ突然変異を起こす性質)
でも、簡単な試薬を入れただけでは、わかりません。
PT-GC-MSという装置で分析する方法が一般的です。
PT-GC-MS(パージ&トラップ ガスクロマトグラフ質量分析計)
VOC(揮発性有機化合物)や油種分析に使用されます。
トリハロメタンもVOCの一種です。
トリハロメタンには消毒剤の残留塩素とフミン質で生成量が増減する
川やダムの水質や季節
水中には、フミン質といった有機物が存在します。
それが、消毒剤の塩素が反応してトリハロメタンができてしまいます。
フミン質は説明すると結構難しいので、簡単なイメージだと、「枯葉などが微生物などによって分解したもの」と想像してみてくださいね。
ホームセンターなどで販売している「腐葉土」は、フミン質が豊富です。
フミン質が多い場合
・塩素を消費しやすい
・トリハロメタンなどが多くできる
といった現象が起こります。
フミン質は塩素をゆっくりと消費する性質があります。
塩素を消費するので、当然、残留塩素の元になる薬品【次亜塩素酸ナトリウム】を浄水場では、多く注入しなければいけません。
水温
水温が高いほど、残留塩素は減少しやすい。
→残留塩素の元になる薬品【次亜塩素酸ナトリウム】を浄水場では、多く注入しなければいけません。
フミン質や水温が高い場合
・浄水場の近くに住んでいる家庭では、塩素が高くなってしまう。
・塩素とフミン質が反応して、多くのトリハロメタンができてしまう。
といった悪循環が起きてしまいます。
トリハロメタンを加熱で取り除く方法
様々な文献が出ています。
トリハロメタンが少ない場合(水温を60℃、80℃、100℃まで加熱)
水温を60℃まで加熱した場合
総トリハロメタンはほとんど変化しない。
つまり、総トリハロメタンの除去の効果はほとんど期待できない。
水温を80℃まで加熱した場合
水温が上昇するのに伴って、総トリハロメタン濃度が上昇します。
80℃に到達した直後は、総トリハロメタン濃度は最大値になります。
その後、濃度は減少しますが、13分後でも総トリハロメタンは残留します。
水温を100℃まで加熱した場合
水温の上昇とともに総トリハロメタン濃度は増大します。
沸点付近の水温で最大値になります。
その直後から濃度は減少して、沸騰を開始してから8分後で総トリハロメタンは完全に除去できます。
なぜ総トリハロメタンは加熱で増えるの?
総トリハロメタンの濃度は、沸点付近で一度増加しその後減少します。
これは、水道水中の残留塩素とフミン質などの反応速度が促進され、新たにトリハロメタンが生成するためです。
残留塩素がほとんどなくなるまで、新たにトリハロメタンが生成し続けます。
注意しなければいけない点
トリハロメタンの除去は、単にある程度加熱しただけでは除去どころか、かえってその濃度を増加させてしまいます。
特にクロロホルムは塩素化反応速く、加熱によって最も除去しにくい成分です。
完全にトリハロメタンを除去するには?
残留塩素やフミン質の濃度はお住まいの地域によって、濃さが異なります。
ですが、残留塩素には、水質管理目標設定項目に設定されていて、1mg/L以下となっています。(厚生労働省が定めた規定)
これは、日本のどこでも同じです。
残留塩素は沸騰後10分経過させると完全に除去できます。
つまり、残留塩素とトリハロメタンは、共に沸騰後10分経過させると完全に除去できます。
まとめ 水道水を沸騰させて最も安全に飲むには?
・水道水を沸騰させる。
・最低でも10分以上経過させる。
これで安全に飲めます。
トリハロメタンは水質基準値以内であれば安心か?
下の記事をご覧ください。
残留塩素について詳しく知りたい場合は、下の記事をご覧ください。
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