そばの実とは?女性に嬉しい美活効果
美容と健康のスーパーフードとして注目されている「そばの実」
いろいろな美容・健康効果があるのをご存知でしょうか?
東欧の伝統的料理「カーシャバーニッシュケス」は、煎ったそばの実、マッシュルーム、タマネギをパスタに加えたものです。
また、フルーツと一緒に、温かいミルクをかけて食べる朝食のシリアルに入れるのもおすすめです。
そばの実は、ピラフ、パスタ、おかゆに入れると美味しく体に有効な栄養を豊富に摂取することができます。
女性に嬉しい美活効果・健康効果
そばはグルテンフリーで、良質なたんぱく質が多く、必須アミノ酸のすべてがバランスよく含まれています。
そばには、他の穀物には少ないアミノ酸のリジンやトリプトファンが多く、たんぱく質の栄養価が高いのが特徴です。
ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンE、鉄分や亜鉛などのミネラルも豊富です。
そばはGI値が玄米と同程度と低いので、食後の血糖値上昇も緩やかです。
コレステロールを排出してくれる食物繊維も豊富なので、便秘改善や動脈硬化予防にも有効です。
そばには毛細血管を強くしてくれるルチンが含まれているのも特徴です。
ルチンはフラボノイドの一種です。
その働きとしては、ビタミンCの吸収をサポートする作用、毛細血管を強化するほか、抗酸化作用、血流改善効果や炎症を防ぐ働き、血圧効果作用、すい臓機能の活性化、また記憶細胞の保護や活性化にも関係しているといわれています。
その結果、心臓病や脳血管障害の予防、糖尿病の予防と抑制、記憶力の向上などに有効です。
また、そばに含まれるたんぱく質が体脂肪の蓄積を抑える働きをすることがわかっています。
栄養素を無駄にしないためには「そばの実」が効率的!
そばは麺として食べるのが一般的ですが、ルチンやビタミンB群は水に溶けやすいので、ゆでると、ゆで汁の中に流れ出てしまいます。
そのため、「そばの実」として摂取した方が栄養をしっかりと摂ることができます。
ダイエット効果・腸内環境改善
そばはグルテンフリーのタンパク質や水溶性・不溶性の両方の食物繊維を多く含みます。
不溶性の食物繊維はプロバイオティクスと呼ばれる善玉菌のエサとなりこの働きを助け、害を及ぼす悪玉菌の増殖を抑えて腸内環境を整え、健康な状態に保ってくれます。
さらに、そばの実には、レジスタントプロテインというダイエットに有効な成分も含まれています。
グルテンフリー食品
「そばの実」は、グルテンフリー食品です。
グルテンとは、小麦粉製品に含まれるタンパク質の一種で、食欲をコントロールする中枢神経を刺激してしまう作用があり、摂取すると食欲を増加させてしまいます。
また、グルテンが体質に合わない人がいて、体の不調を引き起こしていることがあります。
グルテンフリーダイエットは多くの人がチャレンジしていて、グルテンを含まない「そばの実」はこのダイエットにぴったりの食材です。
低GI値食品+抗糖化作用
GI値とは?
GI値とは血糖値の上がり方を示す指標です。
炭水化物が分解され、糖に変わるまでのスピードを現した数値です。
一般的にGI値の低い食品は、血糖値が急激に上がることの抑制効果が期待できる食品といわれています。
逆にGI値の高い食品は、血糖値を急に上げてしまうことになります。
血糖値が急激に上がると、動脈硬化を起こしたり、体内で糖化を起こして細胞を傷つけたりします。
GI値が低いと、血糖値が上がりにくく、体によいとされています。
酸化・糖化とは?
見た目の老化や、さまざまな病気を引き起こす原因といわれているのが、酸化と糖化です。
酸化とは、酸素によって細胞が傷つけられることです。
酸素は、私たちが生きるためのエネルギーを生み出すときに必要不可欠なものです。
絶えず呼吸によって体内に取り込んでいますが、その一部が体内で活性酸素に変わり、細胞を攻撃して傷つけます。
糖化とは、体内に余った糖質がたんぱく質と結びつき、たんぱく質を変質させることです。
こうしてできた「AGEs(終末糖化産物)」は、細胞を酸化させる働きがあります。
つまり、酸化と糖化は、同時に起こりやすいといえます。
年齢を重ねるほど、体の抗酸化力が落ちたり、食事や生活習慣の乱れからストレスが蓄積したりして、酸化・糖化の影響が見た目や体調に出やすくなります。
酸化・糖化の影響を抑えるためには、まずは活性酸素を減らす栄養素を摂取することが大切です。
酸化
活性酸素によって体の細胞が傷つけられ、その働きが衰えることです。
全身のさまざまな細胞に酸化が及ぶことで、老化や病気が起こります。
活性酸素
酸素の分子構造が異変を起こして毒性をもったものです。
スーパーオキシド、過酸化水素、ヒドロキシラジカルなど様々な種類があります。
糖化
糖とたんぱく質が結びつき、たんぱく質を劣化させることです。
AGEs(終末糖化産物)という物質が生まれ、それが体の細胞を傷つけて老化や病気を招きます。
AGEs(終末糖化産物)
糖とたんぱく質が結びついて化学変化を起こしたものです。
AGEsは一度発生すると元に戻らず体の中にたまります。
酸化・糖化で引き起こされる主な症状
・動脈硬化
・がん
・心臓病(心筋梗塞、不整脈など)
・脳卒中(脳梗塞、脳出血など)
・アルツハイマー型認知症
・胃潰瘍、肝硬変、肝炎、すい炎
・腎炎
・皮膚のしみ、しわ、たるみ
・白内障
・骨粗しょう症
糖化とは(詳細説明)
糖質を摂り過ぎると、体内に血糖が多い状態になります。
血糖が細胞に取り込まれ、たんぱく質と結びついて化学変化を起こして変質すると、最終的にAGEsができます。
体内に余った血糖がAGEsを作り出す
酸化とともに、病気や老化の原因とされているのが、糖化です。
糖化とは、体内の余分な血糖とたんぱく質が結びつき、酸化などの化学変化を起こして「AGEs(終末糖化産物)」という物質になることです。
食材を加熱すると、きつね色の焦げ目ができます。
これは食材の中の糖質とたんぱく質が結びつき、加熱によって酸化するために起こります。
同じことが体の中で起こります。
AGEsは、体内のたんぱく質、つまり細胞を酸化させる働きがあります。
こうして、酸化と同じように、糖化は病気や老化の原因となります。
皮膚への影響
肌の弾力が失われ、しわやたるみができます。
肌にはコラーゲン繊維があります。
コラーゲン繊維は3本の繊維質でできていて、架橋というものでつながっています。
この構造が肌の弾力やハリを保っています。
AGEsがコラーゲン繊維に沈着し、不要な架橋を増やしてしまうと、肌の弾力やハリがなくなり、シワができやすくなります。
骨への影響
骨粗しょう症を引き起こします。
骨にもコラーゲン(たんぱく質)があります。
骨のコラーゲンにAGEsが溜まると、鉄がさびたような状態になり、もろく折れやすくなります。
また、AGEsが骨をつくる細胞の働きを妨げ、骨密度が下がります。
腎臓への影響
腎機能が低下します。
腎臓には糸球体という、毛細血管が集まった組織があります。
腎臓の毛細血管の働きを助ける細胞が糖化してAGEsになると、毛細血管が詰まって腎臓が機能しなくなることがあります。
血管への影響
動脈硬化を引き起こします。
AGEsはが血管にたまると、血管の弾力が失われて血流が悪くなります。
また、AGEsは血管の内側を傷つけ、血管壁の中に酸化したコレステロールがたまりやすくなり、動脈硬化を引き起こします。
目への影響
白内障になります。
目の水晶体はたんぱく質でできています。
ここに糖が結びついて糖化が起こると、水晶体がAGEsとなって白く濁ります。
濁った水晶体はレンズの役割を果たしきれず、視力が低下します。
糖化を防止する方法とは?
体内に血糖が多いと、たんぱく質と結びつきやすくなるため、AGEsが発生しやすくなります。
そのため、糖質が少ない食べ物、血糖値が上がりにくい食べ物を摂ることが大切です。
糖化の途中段階である酸化を防ぐ、ビタミンやポリフェノールなどの抗酸化物質を摂ることも、糖化予防につながります。
食物繊維
糖質の吸収スピードを下げる働きがあります。
食物繊維は糖の吸収のスピードを抑える働きがあります。
ビタミンB1
代謝を助け、AGEsを減らす効果があります。
ビタミンB1は糖質や脂質をエネルギーに変えるのを助ける働きがあります。
糖質をエネルギーとして消費するため、体の中にたまってAGEsになるのを防ぐ働きをします。
ビタミンE
脂質に作用し、糖化・酸化の害から守る働きがあります。
油に溶けやすい性質をもち、細胞膜の脂質が酸化するのを防ぐ働きがあります。
細胞膜で酸化・糖化が起こるのを防ぐ働きをします。
そばの実の主な成分
・ルチン
・レジスタントプロテイン
・不溶性食物繊維
・水溶性食物繊維
・良質なタンパク質
・ビタミンB1
・ビタミンB2
・ビタミンE
・鉄分
・亜鉛
・銅
・マグネシウム
・カリウム
・ナイアシン
・パントテン酸
含まれる成分の効能
ルチン
血管強化・血流改善に優れた効果
ルチンはフラボノイドの一種(ビタミンPの一種)です。
ルチンはコラーゲンをつくるビタミンCの働きを助けて、毛細血管を丈夫にする働きがあります。
血管の弾力性を維持し、若さを保つ上でコラーゲンは重要な役割をしています。また、血管中のコラーゲンは血管壁に生じた傷の修復にも働きます。
コラーゲンの生成がうまくいかなくなると、血管中のコラーゲンも変性し、血管の弾力が失われるほか、傷の修復もうまくいかなくなります。
ルチンには毛細血管を強化し、内出血を防ぐ働きがあります。
ビタミンCとともにコラーゲンの合成に関わるため、健康な皮膚を保つ働きもあります。
また、ルチンには毛細血管の収縮作用があり、血流改善に優れた効果があります。
ルチンには高血圧降下作用がありますので、高血圧の改善を促す作用もあります。
ルチンが欠乏すると、歯ぐきから出血しやすくなったり、傷が治りにくくなったりします。
ビタミンP(バイオフラボノイド)
ビタミンPは、ビタミンに近い働きをする水溶性のビタミン様物質です。
柑橘類に多く含まれるヘスペリジン、ソバに豊富に含まれるルチン、タマネギに含まれるケルセチンなどのフラボノイドの総称です。
植物由来の化合物で、フラボノイド化合物、バイオフラボノイドなどと呼ばれています。
ビタミンCの吸収を助け、さらにビタミンCの優れた抗酸化作用を促進します。
毛細血管の結合組織のコラーゲンを作るビタミンCの働きを補強し、毛細血管を丈夫にする効果があります。
毛細血管の透過性が高くなるのを防いでくれるので、抗毛細血管浸透性因子などとも呼ばれています。
この他、高血圧の予防や血中の中性脂肪を減らす作用、血液の浄化、血流の改善、抵抗力の向上などにも効果があると注目されています。
ビタミンPが不足すると、疲れやすくなる、風邪をひきやすくなるなどの症状が出ることがあります。
レジスタントプロテイン
タンパク質の一種ですが、体内の消化酵素で分解されにくく、食物繊維のような働きを持っています。
便通を促したり、血糖値の上昇を抑制する効果、血中の総コレステロール値を減少させる効果があります。
不溶性食物繊維
不溶性食物繊維のほとんどは、植物の細胞壁を構成している物質です
水に溶けないのですが、水分を吸収してかさを増す性質があります。
腸の内容物(便)のかさが増えると、大腸のぜん動運動が活発になります。
不溶性食物繊維の主要な働きは、便の移動をスムーズにして排便を促すことです。
また、腸内環境を整え、腸内の有害物質を体外に排泄する働きもあります。
水溶性食物繊維
水溶性食物繊維は、水に溶ける食物繊維で水分を含んでゲル状になり、腸管での余分な栄養素や有害物質を排泄する作用があります。
・ブドウ糖の吸収を穏やかにする。
・コレステロールの吸収を抑制する。
・胆汁酸を吸着して体外に排泄する(胆汁酸はコレステロールからつくられるので、コレステロールの排泄につながります)
・ブドウ糖の吸収が穏やかになると、血糖値の急激な上昇が避けられ、糖尿病の予防につながります。
・食塩のナトリウムと結びついて便と一緒に排泄されるため、血圧をさげる効果もあります。
・便の水分量を増やしてやわらかさを保ち、腸を刺激することによって排便をスムーズにします。
・満腹感を得やすくして食べ過ぎを防ぐといった効果もあります。
良質なタンパク質
体をつくるアミノ酸
アミノ酸には、そのひとつひとつに多様な機能があり、体の健康、美容に働きかけてくれます。
人の体のたんぱく質を構成するアミノ酸は約20種類あります。
体内で合成できない必須アミノ酸(9種類)と体内で合成できるが生体維持に極めて重要な働きをする非必須アミノ酸(11種類)に分けられます。
そばには、必須アミノ酸9種類すべてが含まれています。
必須アミノ酸
人の体のたんぱく質を構成するアミノ酸のうち、体内で合成できない9種類を必須アミノ酸といいます。
バリン、ロイシン、イソロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、ヒスチジン
アミノ酸スコア
必須アミノ酸は、FAO(国連食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)などによって推奨摂取量が定められています。
各食品に含まれる必須アミノ酸の量が、その基準値に対してどの程度満たされているかを数値で表したのが「アミノ酸スコア」で、効率よくアミノ酸を摂るための目安となります。
アミノ酸スコアは100が最高値となっています。
最高得点100(フルスコア)は、タンパク質をつくるために必要な9種類全ての必須アミノ酸がバランスよく十分に含まれているということです。
必須アミノ酸は、どれかひとつでも不足していると、不足しているアミノ酸のレベルまでしか利用できないため、他のアミノ酸はすべて無駄になってしまいます。
食品に含まれる必須アミノ酸の含有量が、基準値より低いアミノ酸のことを「制限アミノ酸」といいます。
例えば、米や小麦、トウモロコシはリジン、ジャガイモはロイシンというアミノ酸が少なく、リジンやロイシンが制限アミノにあたります。
米のアミノ酸スコアは58、小麦のアミノ酸スコアは36(制限アミノ酸はリジン)です。
そばの実には、他の穀物には少ないアミノ酸のリジンやトリプトファンが多く含まれています。
米に不足しているリジンというアミノ酸が補えることから、そばの実を摂取することでアミノ酸スコアが改善し、美容やダイエット、健康に非常に良い効果があります。
そばの実で、リジンを補うことでアミノ酸スコアが改善し、アミン酸バランスが整い、効率よく体のたんぱく質を合成することができます。
リジンは特に不足!
リジンは米や小麦、トウモロコシなどの穀物に含まれる量が少ないため、米やパンなど穀物を食べる日本人には不足しがちなアミノ酸です。
リジンを摂取し、アミノ酸バランスを改善することによって、効率的に筋肉合成が促進できます。
その結果、基礎代謝が上がり、脂肪燃焼効果も期待できます。
また、アミノ酸が体内で体づくりに使われやすくなり、美容効果も向上します。
アミノ酸を摂取することのメリット
たんぱく質(アミノ酸)は、筋肉はもちろん、体の様々な部分の材料となる非常に大切な栄養素です。
全身は新陳代謝により日々入れ替わっていますので、日々のたんぱく質が不足すると、身体のコンディションに良くないことが出やすくなります。
アミノ酸のダイエット効果
基礎代謝量が高い人ほど、エネルギーを消費しやすく、太りにくく痩せやすい体です。
ダイエットには、基礎代謝を上げることが大切です。
そのポイントは筋肉です。
筋肉が多いほど、基礎代謝アップにつながります。
そんな脂肪が燃えやすい体づくりで注目を浴びているのがアミノ酸です。
筋肉の原料であるアミノ酸を補給することで、脂肪の燃焼工場である筋肉が増え、基礎代謝が上がり、それによって消費エネルギーが増え、太りにくい体がつくられます。
さらに、燃焼系アミノ酸と呼ばれるリジンは、体内に入ると脂肪を分解するリパーゼという酵素を活性化する働きがあります。
この酵素が活発に働くと体脂肪は遊離脂肪酸となって血中に取り込まれ、エネルギーとなって燃焼します。
リジン
米や小麦、トウモロコシなどの穀物に含まれる量が少ないため、米やパンなど穀物を食べる日本人には不足しがちなアミノ酸です。
リジンを摂取し、アミノ酸バランスを改善することによって、アミノ酸が体内で体づくりに使われやすくなり、美容効果が向上します。
また、効率的に筋肉合成が促進できます。
その結果、基礎代謝が上がり、脂肪燃焼効果も期待できます。
さらに、リジンは脂肪酸をミトコンドリア内に輸送するのに欠かせないカルニチンの材料で、脂質代謝を促進する物質を活性化させる働きもあり、体脂肪を燃焼しやすくする作用があります。
これにより摂取した脂肪を体に蓄積しにくくします。
また、リジンは、たんぱく質の吸収を促進させ、ブドウ糖の代謝やカルシウムの吸収にも重要な働きを担っています。
また、アルコール摂取などで弱った肝臓に活力を与え、リパーゼ(脂肪を分解する酵素)の働きを活発にして、脂肪酸の利用を促進します。
さらに、細菌やウイルスに対する抗体をつくり免疫力を上げる働きもあります。
リジンが不足した場合
リジンが不足すると疲労しやすくなり、めまい、吐き気、目の充血、貧血などの症状がでることがあります。さらに、肝臓の機能が低下して、血中のコレステロールが増加するとされています。
トリプトファン
精神を安定させ、不眠症を解消
トリプトファンが血液から脳に運ばれると、ビタミンB6、ナイアシン、マグネシウムとともにセロトニンを生成します。
セロトニンは、精神安定、鎮静、催眠効果のある神経伝達物質です。
セロトニンは脳の松果体によって、メラトニンに変換されます。
メラトニンは睡眠サイクルを正常にします。
これら精神の鎮静作用や睡眠改善効果から、生活のリズムが不規則になりがちな現代人に欠かせないアミノ酸として注目されています。
また、トリプトファンは、ドーパミンやノルアドレナリンといった神経伝達物質の生成過程に、アミノ酸の一種であるチロシンと一緒に関与しています。
不眠症やうつ病の治療にも期待されています。
また、体内で発生した活性酸素を除去する作用があるとされ、老化防止への効果が期待されています。
禁煙補助に効果があるという報告もあります。
その他にもコレステロールや血圧を調整する、更年期障害の症状を緩和するなどの効果があります。
アルツハイマー型認知症やパーキンソン病などの症状改善にも期待されています。
ビタミンB1
次のような効能があります。
・皮膚や粘膜の健康維持を助ける働き
・糖質をエネルギーに変えて疲れにくくする働き
ビタミンB1は糖質をエネルギーに変える働き(糖質の代謝を促進)があります。
体内で糖質をエネルギーに変えるとき、酵素の働きが必要になります。
この酵素がしっかりと機能するには補酵素が不可欠で、ビタミンB1は補酵素の働きを果たしています。
糖質代謝を促す酵素はアミノ酸だけからなる純タンパク質(アポ酵素)で、この酵素の働きを助ける補酵素がなければ、糖質をエネルギーに変えることはできません。
乳酸を分解して筋肉の疲れをやわらげる働き
ビタミンB1が不足すると、糖質がきちんと代謝できず、体内に乳酸などの疲労物質が蓄積され、疲れやすくなったり、筋肉痛を起こしやすくなったりします。これが肩こりの原因になると言われています。
脳や神経を正常に保つ働き
ビタミンB1は、脳や神経にとっても大切で、中枢神経や手足の末梢神経を正常に働かせる作用があります。
ビタミンB1は脳や神経の働きを助けるので集中力が増し、記憶力が向上します。
また、手足や足先などの感覚が敏感に働くようになります。
ビタミンB1が不足した場合
ビタミンB1が不足すると、イライラなどの症状や集中力の低下、さらに食欲不振、全身の倦怠感、手足のむくみやしびれ、動悸、息切れ、筋肉痛、脚気などがあらわれます。
また、脳には、血管収縮作用によって脳を活性化させるセロトニンという物質がありますが、ビタミンB1が欠乏することで、セロトニン代謝が正常に行われず、脳の機能がうまく作動せず、気力減退や慢性的な眠気を引き起こします。
アルコールを分解するのにもビタミンB1は必要です。
お酒を毎日大量に飲み、慢性的にビタミンB1が不足している人は、中枢神経が侵されるウェルニッケ・コルサコフ症候群という神経疾患にかかることがあります。
手足や顔面の麻痺、言語障害、記憶障害などがあらわれます。
ビタミンB2
次のような効能があります。
皮膚や粘膜の健康維持を助ける
美容のビタミンとも呼ばれ、皮膚や粘膜を保護し、肌・爪・髪の発育や体全体の抵抗力を強め、成長と生殖を助ける働きをします。
ヒアルロン酸の持つ保水力を高める働き
みずみずしい肌をキープするのにも必須のビタミンです。
脂肪の代謝を助ける(脂肪の燃焼を促進)
脂肪を燃やしてエネルギーに変えるときに、補酵素として働きます。
脂肪が多い食べ物を多くとった時には、ビタミンB2も多めに摂ると、脂肪が次々と燃焼されるので、脂肪太りのダイエットには大きな効果があります。
血液サラサラ効果
体内の活性酸素と結びつくことで生まれる有害物質である過酸化脂質の分解に作用して、コレステロールや中性脂肪を減らす働きがあります。
ビタミンEは過酸化脂質ができるのを防ぐ働きを持っていますが、ビタミンB2はつくられた有害な過酸化脂質を分解・消去するのに役立ちます。
ビタミンE
酸化ケア力が強く、体内の活性酸素をケアし、悪玉コレステロール対策に役立ちます。
体の中から若々しさを保つ大切な成分です。
抗酸化作用は美肌をキープするためには必須なもので活性酸素を減らしてくれる作用があります。
また、ビタミンEはビタミンCの吸収率を高める効果があります。
冷え性改善・肩こり改善・美肌効果
ビタミンEは、末梢神経や毛細血管を広げて血行を促進し、自律神経を整えます。
血流が良くなるので、冷え性や肩こり、腰痛などが改善されます。
全身の血行がよくなることで新陳代謝が活発になり、肌のハリが出てきます。
さらに、ビタミンEは紫外線に対する抵抗力を上げる特性もあるので、シミやそばかすにも効果的です。
貧血予防
赤血球の細胞膜を強化することから貧血予防に効果的です。
血行を良くする効果
善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールを減らして、血行を良くします。
血行が良くなると、血管も強化されます。
また、血管壁に沈着しやすい中性脂肪を減らす働きがあるので、動脈硬化の予防にもなり、血圧が下がります。
抗酸化作用によって、過酸化脂質の生成を抑え、生体膜を活性酸素から守り老化を防ぐ
毒性が強い過酸化脂質は、不飽和脂肪酸と酸素が結合してできる物質で、細胞内にできやすく、強い毒性があります。
そして、細胞膜を破壊して細胞の働きを衰えさせ、栄養分の補給や老廃物の排出などの機能を麻痺させます。
これが老化現象です。
抗酸化作用のあるビタミンEを摂取することで、過酸化脂質の生成を抑え、細胞が急激に老化するのを防いでくれます。
黄体ホルモンや性ホルモンのバランスを整える
ビタミンEは女性ホルモンの代謝にも関与しています。
脳下垂体に働きかけてホルモンの分泌を促進させ、月経前のイライラや生理痛、生理不順などを改善します。
ビタミンEは女性の不妊治療や更年期障害の治療に使用されることもあります。
ビタミンEは黄体ホルモンや性ホルモンなどのホルモンの生成に関与しています。
更年期障害は、黄体ホルモンの分泌状態が変化することにより、月経異常や身体的、肉体的に不安定な状態が起こるものですが、ビタミンEによって黄体ホルモンが生成されることで、その症状は軽減されます。
同様に性ホルモンのバランスが重要な生殖機能を正常に保つ働きもあります。
鉄分
コラーゲンの再合成
鉄はたんぱく質の一種であるコラーゲンの合成にかかわっています。
肌や髪、爪の質の低下はたんぱく質だけでなく、鉄不足が原因の場合が多いといわれています。
コラーゲンは体内に入るときに分解されてしまうのですが、それを再合成するときに鉄が必要です。
また、ニキビや湿疹ができやすいのも、鉄欠乏が原因している場合があります。
赤血球の成分となって全身に酸素を運ぶ
鉄分の働きは血液に乗って全身に酸素を運ぶことです。
鉄は赤血球の血色素「ヘモグロビン」や、筋肉の「ミオグロビン」などの構成性成分となり、体内で酸素を運搬する役割を担っています。
体力の回復を早めたい方、特に鉄分が気になる女性の方に必要な栄養素です。
鉄は赤血球を作るのに必要な栄養素です。
体内の鉄分が不足すると全身への酸素供給が不足し、体がだるい、疲れやすいと感じやすくなります。
活性酸素を除去して老化を抑制する効果、体内の免疫機能の維持などの効果があり、妊娠する体をつくる重要な栄養素でもあります。
体内の鉄は、ヘモグロビンやミオグロビンのように、酸素の運搬役としての役割を果たしている「機能鉄」の他に、肝臓や脾臓、骨髄などに貯蔵されている「貯蔵鉄」があります。
機能鉄が不足すると、それを補うために貯蔵鉄が利用されます。
これが少なくなると、鉄欠乏による貧血を起こします。
血液検査で貧血と診断されなくても、この貯蔵鉄が減少している状態の人も多いと言われています。
男性や閉経後の女性には、貧血はほとんど見られないのですが、月経のある年代の女性や妊娠中の方は、欠乏しやすいので注意が必要です。
亜鉛
亜鉛は新陳代謝に関わっていて、肌のターンオーバーを促進します。
体内で新たな細胞をつくるために必要な酵素の成分であり、200種類以上の酵素に含まれる成分です。
細胞の生まれ変わりや糖質のエネルギー化、インスリンの合成、免疫力を高めるなど、役割は多岐にわたっています。
細胞の新生を活発にさせ、骨や皮膚の発育を促す働きがあります。
体に貯蔵しておく事が出来ないため、1日の中でバランス良く摂取することが大切です。
様々な酵素を作り出すサポートしたり、タンパク質の合成、疲労回復や免疫力強化にも関わる万能ミネラルです。
亜鉛が不足した場合
不足してしまうと、新陳代謝のサイクルが遅れるため、肌がカサつく他、脱毛、フケなどが起こります。
また、脳の機能が低下し、記憶力が悪くなることもあります。
特に味覚細胞は寿命が短く、10~12日で新たな細胞に変わるため、不足すると代謝ができず、食べ物の味がわからなくなります。
また、性ホルモンの分泌にも関係しています。
不足すると、女性の場合は生理不順などの原因になります。
銅
貧血予防
・銅は、鉄分から赤血球中のヘモグロビンという色素がつくられるときに働きます。
・銅は、腸からの鉄分の吸収をよくします。
鉄は、腸からの吸収が悪い成分なので、銅の存在は重要です。
・銅が不足すると、鉄がヘモグロビンにスムーズに合成されなくなり、鉄欠乏性貧血を起こします。
・ヘモグロビンは主な材料である鉄が十分であっても、銅がなければ正常に作られません。
銅がなければ、せっかく摂った鉄分も体内で使われることはありません。
その他の効果
銅は多くの酵素の成分となって、骨や血管壁を強化するコラーゲンやエラスチンの生成に働き、動脈硬化や骨粗しょう症を防ぎます。
このほか、活性酸素を防ぐスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)や、皮膚を守るメラニン色素などの生成にも必要です。
銅は、SODの活性促進を通じ、アンチエイジングに重要な成分です。
貧血ぎみで鉄分を多く摂っている人には、必須のミネラルです。
また、銅が不足することで、毛髪異常、白血球の減少、骨の異常、子どもの発育障害を起こすこともあります。
マグネシウム
骨の重要な成分
カルシウムを骨に定着させるのがマグネシウムです。
マグネシウムが足りないとカルシウムは無駄になってしまいます。
骨の正常な代謝を維持します。
カルシウムとともに骨や歯の発育や強化をうながす重要な役割を担うミネラルです。
マグネシウムは、汗で流れ出てしまったり、年齢を重ねると体にため込むことができる量が減ってしまうと言われています。
筋肉をリラックスさせたり、エネルギーの変換に関わっていると言われています。
美肌効果
マグネシウムはNMF(天然保湿因子)の構成成分です。
また、敏感肌な人ほど、体内のマグネシウムが不足している場合があります。
それは、マグネシウムが少ないと細胞がうまく分裂できず、皮膚のバリア機能も構築しにくくなるためです。
マグネシウムは細胞が分裂したり、また細胞が分化して角質層になるためにも必要なミネラルです。
また、敏感肌や乾燥肌の人は、皮膚がかゆくなって掻いてしまうことが多いです。
そして、掻けば掻くほどかゆみはひどくなります。
これは、ヒスタミンというかゆみを引き起こす神経伝達物質の放出が止まらなくなるからです。
このヒスタミンの放出を抑えるのにも、マグネシウムは関与しています。
その他の効果
マグネシウムが不足すると筋肉のけいれんを引き起こす場合があります。
マグネシウムは体内にある300種類以上の酵素の働きやエネルギーの産生を助けています。
また、血液循環を維持するために働くほか、神経の興奮を抑える、体温や血圧を調整する、筋肉の収縮などの非常に重要な働きにも関わっています。
海外の研究では、マグネシウム不足が月経前症候群(PMS)に伴う、イライラなどの情緒不安定に関係しているのではないかと言われています。
カリウム
カリウムはNMF(天然保湿因子)の構成成分です。
また、余分な水分を排出し、バランスを保ちます。
ナトリウム(塩分)の排泄を促す効能があり、高血圧の予防やむくみの解消に効果的です。
また、細胞内の酵素反応を調節する役割があり、筋肉でのエネルギーづくりにも関与していて、カリウムが不足すると筋肉の働きが低下します。
夏場に大量の汗をかくと、カリウムが汗とともに排出されて、低カリウム血症が起こり、疲れやすくなったり、無気力になったりすることがあります。
ナイアシン
・皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きをします。
・ナイアシンは、糖質、脂質、たんぱく質の代謝に働き、細胞でエネルギーを産生する際に働く酵素を補助します。
・血行を改善して、脳神経の働きを良くする、コレステロールや中性脂肪を分解するなどの働きがあります。
・喘息患者の喘鳴(呼吸のたびに出るゼイゼイ音)を起こりにくくする効果があります。
ナイアシンが不足すると肌細胞の生まれ変わりがうまく行われなくなり、肌荒れになることがあります。
細胞のエネルギーが不足することで、倦怠感を感じることもあります。
また、不足するとペラグラという症状が起きます。
日光を浴びやすい顔や手足を中心に炎症が起き、下痢などの胃腸障害を発症します。悪化すると、頭痛やうつなどの精神症状を生じます。
パントテン酸
パントテン酸は食べ物から摂った炭水化物(糖質)や脂質、タンパク質、いわゆる三大栄養素の代謝に関わっています。
パントテン酸はビタミンB1と一緒に糖質を分解する働きをするほか、ビタミンB2とともに脂質の代謝を助けます。
パントテン酸は副腎皮質ホルモンの産出を促す働きがあります。
副腎皮質ホルモンはストレスに対抗するため、血糖値を上げて、エネルギーを向上させる作用があります。
また、パントテン酸は善玉コレステロールを増やす働きがあります。
さらに、免疫力や自律神経の働きを高める作用も認められています。
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