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【ホスファチジルセリン】【運営者みみ】美容とダイエットと健康に関するブログ

用語説明
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ホスファチジルセリン(PS)

ホスファチジルセリンは、リン脂質(レシチン)の一種で細胞膜を構成する重要な成分です。

特に脳の神経細胞に多くあるため「脳の栄養素(ブレインフード)」と呼ばれ、脳が機能するためには欠かせません。

脳の神経細胞の情報伝達をスムーズにする作用があり、神経細胞に欠かせない成分です。

特に細胞内への栄養素の取り込みや老廃物の排出に細胞膜中のホスファチジルセリンが深く関与し、脳細胞の正常化をはかっています。

 

ホスファチジルセリンの効能

ホスファチジルセリンに関して、今まで約3000報の研究論文・報告書が出ていて、そのうち60報がヒト臨床試験です。

これらの論文によって、ホスファチジルセリンが記憶力を回復させ、認知機能を高める効果があることが証明されていて、安全性も確保されています。

ホスファチジルセリンは脳細胞の細胞膜の機能を助けることで、神経伝達物質機能を高めるだけでなく、脳内のそのほかの機能にも影響を与えていると考えられています。

ホスファチジルセリンは加齢に関する4つの仮説(細胞膜、構造、神経伝達物質、たんぱく質)すべてに対して効果が証明されていて、動物試験とヒト臨床試験双方で高い効果が確認されています。

 

脳細胞を活性化する効果

ホスファチジルセリンは子ども、学生、成人、そして特に高齢者の認識力を高めることが示されています。

体内ではつくることはできず、食べ物から摂取する必要があります。

また、ホスファチジルセリンを摂取すると細胞膜に補充されることもわかっています。

ホスファチジルセリンは年をとるとともに減少、不足は脳機能の低下を招く要因となります。

脳神経細胞の膜に含まれるホスファチジルセリンが不足すると、脳神経細胞に栄養素が入らず、老廃物がたまって退化につながるからです。

ホスファチジルセリンを投与して脳の機能に影響を及ぼす影響を調べた研究は数多くあり、記憶、判断、ものごとに対する注意力の著しい向上がみられたケースも多くあります。

不眠や無感動、気の落ち込みなどの症状の改善も報告されていて、老化防止の働きもあるとされています。

食物由来のホスファチジルセリンは、このままでは血液脳関門を通過できません。

一度分解されてから脳内に入り、それから脳の栄養素となるホスファチジルセリンに再合成されています。

 

血液脳関門とは?

脳はとてもデリケートな器官なので、脳にとって有害なものは入らないようにする「血液脳関門」というフィルターのようなものがあります。

必要なものしか通過できないシステムが備わっています。

脳は、非常に多くのエネルギーを必要とする器官ですが、必要な栄養素しか脳に入ることができません。

それだけに、脳のための栄養素(ブレインフード)が注目を浴びています。

この血液脳関門を通過できる栄養素が脳に必要なブレインフードです。

 

 

【脳への働き】

 

脳への働き① 酸素と栄養を供給し、脳細胞の代謝を高める

脳内で再合成されたホスファチジルセリンには、血管壁や赤血球の細胞膜を柔らかくする作用があります。

 

 

細胞膜に柔軟性がない場合のデメリット[wp-svg-icons icon=”close” wrap=”span”]

血管壁や赤血球の細胞膜に柔軟性がないと、血液がうまく血管を通過できなくなってしまいます。

 

血管壁の柔軟性が高い場合のメリット(〇)

血管壁の細胞膜に柔軟性があると、赤血球の幅に合わせて血管が広がることで血流がスムーズになります。

 

赤血球の柔軟性が高い場合のメリット(〇)

赤血球の柔軟性があると、細い血管にも自由に変形して通過することができます。

 

そのため、血流がよくなるので脳に必要な栄養素が、十分に行き渡ることになり、絶えず新鮮な栄養が供給されるのと同時に、老廃物も排泄されるので、脳細胞の新陳代謝は活発になります。

さらに他のリン脂質と違い、水になじみやすいのも特徴です。

脂性の細胞膜だけでなく、水性である細胞の内と外の両方にまで作用が及ぶため、脳細胞の働きが強化され丈夫になります。

 

脳はたくさんのエネルギーを消費する器官

脳が正常に働きためには、常にその源となる栄養がたくさん必要となります。

脳は、体重の2%しかないのに、18%ものエネルギーを消費しています。

脳細胞は、他のどの器官よりも酸素とブドウ糖を消費します。

しかも備蓄することができないので、常に補給しなければいけません。

 

脳への働き② 神経伝達物質の放出

ホスファチジルセリンには、脳細胞の膜を柔らかくして、脳細胞同士の情報のやりとりを高める働きもあります。

脳細胞は、神経伝達物質の発信と受信でネットワークを形成しています。

その発信部と受信部の接合部をシナプスといいます。

シナプスの周囲にホスファチジルセリンがあると、より多くの情報がやりとりでき、頭の回転が速くなります。

具体的には、ホスファチジルセリンには、アセチルコリンやドーパミン、セロトニンなどの神経伝達物質の放出量を増やす働きがあります。

これによって情報伝達がスムーズに行われるようになるため、認知障害や記憶障害、アルツハイマー型認知症が改善されます。

 

 

ホスファチジルセリンによる脳機能改善のメカニズム

認知機能が次第に低下していく原因は多岐にわたり、おもな仮説が4つ唱えられています。

これらは単独あるいは複合していて、加齢にともない脳の健康とパフォーマンスに壊滅的な影響を与えます。

ホスファチジルセリンはこれら4つの基本的なメカニズムに対して高い効果があることが示されています。

 

仮説①(加齢の細胞膜的仮説)

加齢によって、細胞膜の脂質の組成が変わることが知られています。

一般的に脳内のコレステロールが増え、リン脂質量が減ります。

この化学的変化は、細胞膜の通常の粘性を変え、それによって酵素活性やトランスポーターの喪失をもたらします。

そして結果的に、学習や記憶といった脳機能に障害を起こします。

ホスファチジルセリンを摂取することで、コレステロールとリン脂質の比率が正常化して、細胞膜の流動性や組成を再生させることが示されています。

 

仮説②(加齢の形態学的仮説)

加齢は神経細胞の死滅をもたらし、脳細胞間のつながりを減少させます(樹状突起の喪失)。

加齢による神経細胞の樹状突起の喪失は、ヒトの脳で報告されていて、シナプスの喪失程度は、認知力の低下と関係していることが示されています。

定期的にホスファチジルセリンを処置することで、加齢による樹状突起の密度の低下を防ぐことが示されています。

 

仮説③(加齢のコリン作用的仮説)

加齢によって神経伝達物質の合成と放出が減ります。

そして、多様な神経伝達物質の不足が加齢性の記憶力低下をもたらすことが研究でわかっています。

脳の神経細胞の特別なグループ(特にコリン系)は、退化的な変化を通じて、認知機能の低下程度に直接関係します。

ホスファチジルセリンは、アセチルコリンの十分な供給量を維持することで、アセチルコリンの放出を回復させます。

また、ホスファチジルセリンはドーパミンの放出も回復させ、グルタミン酸作動性の神経伝達に良い影響を与えます。

ドーパミン作用性、グルタミン酸作用性、コリン作用性神経伝達は、学習や記憶またはそのほかの認知能力で重要な役割を果たしています。

 

仮説④たんぱく質合成仮説

長期記憶は、たんぱく質を通じて蓄積されます。

そしてたんぱく質構造を合成する能力は、加齢によって落ちていきます。

ホスファチジルセリンは、たんぱく質合成のおもな経路であるmTOR経路を活性化させることが示されています。

 

 

アルツハイマー型認知症と神経伝達物質

 

アセチルコリンなどの神経伝達物質が減少

神経伝達物質とは、神経細胞内のごくわずかな隙間(シナプス間隙)で、情報伝達を担う特殊な化学物質をさします。

送り手側のシナプス前終末から放出された神経伝達物質が、受け手側のシナプス後細胞の受容体に結合することで、情報が伝達されます。

神経伝達物質は60種類以上あり、それぞれ認知気分情動睡眠運動などに関する情報を伝達しています。

各神経細胞から、どの神経伝達物質が放出されるかは、脳の部位によって異なります。

神経伝達物質の量は20歳ごろまで増加し、その後は加齢にともなって減少します。

神経伝達物質が減少すると、その働きに関する機能が低下し、認知症などの疾患リスクが高まることが明らかになっています。

 

コリン作動性ニューロンが死滅し、記憶障害が進む

アルツハイマー型認知症に関与するのは、アセチルコリンという神経伝達物質で、認知機能を保つ働きをもっています。

このアセチルコリンを伝達物質とするニューロンを、コリン作動性ニューロンといいます。

コリン作動性ニューロンは、海馬周辺から大脳皮質にかけて広く分布しています。

アルツハイマー型認知症では、脳内のアセチルコリン濃度が低下するとともに、コリン作動性ニューロンが強く障害されます。

そのため、認知機能が低下し、記憶障害が進行すると考えられています。

 

アセチルコリンを増やすとドパミンが減る

アセチルコリンを増やせば、認知症がよくなるとは限りません。

認知機能を保つアセチルコリンは、運動機能に関わるドパミンと、脳内で天秤のようにバランスをとっています。

認知機能改善薬を用いてアセチルコリンだけを増やすと、ドパミンが相対的に不足し、歩行障害などの身体症状が出やすくなります。

神経伝達物質に作用する薬を使うときは、他の神経伝達物質への影響も考えなくてはいけません。

 

認知機能改善薬「コリンエステラーゼ阻害薬」

アセチルコリンを分解する酵素(コリンエステラーゼ)の働きを阻害し、記憶・学習に関わるアセチルコリンの濃度を保つ働きがあります。

薬の中には、アセチルコリンを分解するコリンエステラーゼをブロックする他に、陽イオンの流入量を増やし、アセチルコリンの放出量を増大させるものもあります。

 

 

ホスファチジルセリンのヒト臨床試験

ホスファチジルセリンの摂取による記憶力や認識力への効果は、臨床試験などでも証明、調査されています。

多くの場合、1日摂取量は300mgとされています。

しかし、1日当たり100mgの摂取量でも効果があることを示す研究結果もあります。

ホスファチジルセリンの効果は、毎日の生活に関連するさまざまな学習や記憶のパフォーマンスを用いて評価されてきました。

そして、幅広い試験で有意な改善が観察されています。

 

【臨床試験①】

中等度から重度の認識障害のある高齢者に、1日300mgのホスファチジルセリンを6ヶ月投与し、その効果を検証した研究があります。

その結果、ホスファチジルセリン投与群は偽薬投与群(プラセボ)に比べ、有意に認識力が改善されました。

 

【臨床試験②】

加齢による記憶障害の149人に、ホスファチジルセリン、または偽薬(プラセボ)を12週間、1日に300mg投与し、その効果を調べた研究があります。

その結果、ホスファチジルセリン投与群は、名前の記憶、顔の認識、電話番号の記憶など、すべての項目で有意に改善されました。

実験開始時にもっとも成績の悪かった人たちに、もっとも大きな効果がみられました。

 

【臨床試験③】

アルツハイマー症患者(平均年齢60.5歳)

人数:50人(男性24人、女性26人)

投与量:100mg×3回を12週間

 

結果

記憶力に関する項目を評価したところ、直後の名前の記憶、1時間後の名前の記憶および書き込み情報の記憶などに有意な記憶力改善効果が認められました。

また、他の評価試験において、実年齢に比べ最大13.9歳の「若返り効果」を示しました。

 

 

ホスファチジルセリンの摂取量

1日の摂取量の目安:100~300mg

食品にも含まれますが、含有量がわずかなのでサプリメントが有効です。

サプリメントは100mgで大豆3.5kgに含まれる量を摂取できます。

1日に摂る目安は、認知症などの予防が目的なら100~200mg、脳機能の改善のためなら200~300mgが目安です。

最初の1~2ヵ月はこの量を100mg多くすると効果的です。

 

ホスファチジルセリン配合成分のサプリメント購入上の注意点

比較的多い用量(1日100mg以上)を最低でも1~2ヶ月は摂取しないと期待通りの効果は現れにくいといわれています。

含有量の少ないサプリメント製品はいくら摂取しても期待される効果はほとんどでないので、含有量に注意することが大切です。

 

日本のホスファチジルセリンに関する認知力機能性表示

2017年に日本では、大豆由来のホスファチジルセリンの中高齢者に対する記憶力改善に関するヘルスクレーム(機能性表示)が、機能性表示食品として受理されています。

この際の1日摂取量は100mgとなっています。

機能性表示食品においては、大豆由来ホスファチジルセリンは記憶力が低下した健康な中高齢者の認知機能の一部である記憶力(言葉を思い出す力)の維持をサポートすることが報告されています。

正確には、「遅延言語再生」という項目が試験開始9ヶ月後(摂取終了3ヶ月後)に改善する作用が認められています。

遅延言語再生とは、一度記憶した事を一定時間経過後に思い出す能力のことです。

なお、その効果が得られる摂取量は1日当たり100 mg以上です。

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