イミダゾールジペプチド(イミダペプチド)
疲労とはどんな症状か?
連日残業が続く、家事に忙しい、久しぶりに運動をするなどがきっかけで、疲れや倦怠感(体のだるさ)を感じることがあります。
また、思いあたる原因がないのに、気力がわかない、体がだるいといった症状が起こることもあります。
多くは、過労、休養・睡眠不足、筋肉疲労、精神的な不安などが誘発となります。
疲労や倦怠感が、暑い季節に起こるのが夏バテです。
特に、冷房の普及や気密性の高い建物などによって温度差の激しい生活を過ごすと、自律神経に変調が生じて、だるい、食欲がない、眠れないなどの不調が生じます。
また、慢性疲労症候群といって、日常生活もつらくなるほどの疲労感、集中力・記憶力の低下などが半年以上も続くようなケースがあります。
【慢性的な疲労感】
・栄養ドリンクを飲んでも疲れがとれない
・運動で鍛えたくてもスタミナなく続かない
イミダゾールジペプチド【慢性疲労改善】
別名「アンセリン」や「カルノシン」とも呼ばれています。
アンセリンやカルノシンは、いずれもアミノ酸の一種であるアラニンとヒスチジンがペプチド結合した成分で、最近では、総称してイミダゾールジペプチドと呼ばれています。
(ペプチドは、アミノ酸が数個つながってできた成分です)
カルノシンは1900年に肉エキスから発見され、アンセリンは1929年にガチョウの筋肉組織から発見されました。
ヒトや牛、馬などの補給動物ではカルノシンが大半を占め、ウサギや羊などの動物ではカルノシンとアンセリンはほぼ同量になり、ニワトリなどの鳥類ではアンセリンの比率がカルノシンの2~3倍になり、マグロなどの大型回遊魚ではアンセリンがイミダゾールジペプチドの大半を占めています。
渡り鳥が休むことなく2週間以上も飛び続けられるメカニズムの研究の中で、とりわけガチョウの胸肉にイミダゾールジペプチドが豊富に含まれていることが明らかにされました。
疲労のメカニズムとイミダゾールジペプチドの効果
現在、「疲労」は、体内で発生した活性酸素による酸化ストレスが、ATP産生を低下(※)させ、細胞の機能が低下させることが原因であると考えられています。
一方、イミダゾールジペプチドは、骨格筋へ移行し、筋組織において強力な抗酸化作用を示します。
2009年の日本疲労学学会において、イミダゾールジペプチドを服用することで、疲労感が改善する研究結果が報告されています。
アンセリンは、抗疲労効果のほかにも、動物実験において尿酸値抑制効果、血圧降下作用、抗炎症作用などが報告されています。
カルノシンにも抗酸化作用や乳酸(疲労の原因物質)の生成を抑える働きがあり、疲労回復に効果があると考えられています。
※ATP産生
エネルギーを生み出すときに活性酸素が発生する
食事から得た栄養分は、消化器官で分解されて血液中へ、そして細胞へと取り込まれます。
細胞内では、取り込まれた栄養分が呼吸によって取り入れた酸素を使って燃やされ、ATPという運動エネルギーが生み出されます。
このとき、すべての酸素が使われるではなく、一部は活性酸素に変化してしまいます。
※ATPとは、アデノシン三リン酸という、エネルギーの元となる物質です。
ATPでのみ体は動きます。
脂質や糖質はすべて、ATPにつくりかえられます。
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