≪クエン酸≫
疲労回復効果
クエン酸の主な働きの一つに「クエン酸回路」と呼ばれるものがあります。
クエン酸回路とは、細胞の中でエネルギーをつくる仕組みのことです。
これは、エネルギー生成の過程に必要な経路で、最初にできるのがこのクエン酸です。
まず、体内に摂取された糖質や脂質は、ブドウ糖やアミノ酸、グリセリン、脂肪酸などに分解され、さらにブドウ糖はピルビン酸(または乳酸)に分解されていきます。
これを解糖作用といいます。
解糖作用の最終段階でできたピルビン酸が分解されてクエン酸回路に取り込まれると、クエン酸、アコニット酸、イソクエン酸などさまざまな酸に変化し続けてエネルギーを生産し、最終的には炭酸ガスと水になって体の外に排出されます。
解糖作用でできる乳酸などの酸化物をうまく燃焼させるのが、クエン酸です。
クエン酸が補給され、クエン酸回路が正常に動いてくれれば、疲労物質が体内にたまりにくくなります。
また、クエン酸もクエン酸回路に入ってエネルギー(ATP)に変えられます。
乳酸は疲労物質?
筋肉が疲労すると、酸素不足になって乳酸という物質がたまってきます。
乳酸には、血液を流れにくくする作用があるので、たまるとますます酸素不足になり、さらに血流が低下する悪循環が起こります。
よく「乳酸は疲労物質」といわれますが、疲労の実態は乳酸そのものではなく、酸素不足なのです。
クエン酸回路がよく回ると、乳酸もピルビン酸というものに変化して、エネルギーを産出します。
クエン酸や酢酸を摂ると疲労が回復するのは、血流が流れやすくなり、隅々の組織まで酸素が供給されて、クエン酸回路が回るようになるからです。
疲れやすい人や、筋肉痛がある人、肩こりがひどい人、腰痛のある人、なんとなくだるい人はクエン酸を摂ることで症状が改善されます。
クエン酸のキレート作用
クエン酸は身体に吸収されにくいカルシウムやマグネシウム、鉄、亜鉛などの脂溶性のミネラルを水溶性に変え、吸収を良くします。これをキレート作用といいます。
ミネラルは一般的に吸収されにくい成分ですが、キレート化合物になることで吸収されやすくなるものもあります。
血流改善効果
クエン酸には血流を改善する働きがあります。
血液中のカルシウムとくっつくことで血小板や白血球の動きを適度に抑え、血液をサラサラにする効果が期待されています。
また、食事の偏りなどが原因で酸性に傾いた『ドロドロ血液』を本来の弱アルカリ性に中和します。
その他の効果
クエン酸は肩こり・腰痛の予防や、抗菌・抗ウイルスにも高い効果があります。
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