耳の病気(耳鳴り・めまい・難聴・メニエール病)についての解説と効果的な栄養素
外耳炎・中耳炎・内耳炎とはどのような病気?
外部的な刺激や感染によって起こる
耳は、外耳、中耳、内耳の3つの部分からできています。
外耳とは、体の外に出ている耳介と外耳道とを合わせた部分をさします。
その奥の中耳には、鼓膜、耳小骨、中耳腔などがあり、音を伝える要所です。
内耳は、中耳のさらに奥にあり、平衡機能をつかさどる三半規管や聴覚をつかさどる蝸牛(かぎゅう)などがあります。
外耳炎とは、外耳道が炎症を起こした状態で、耳掃除の時の傷や海水浴などの水の刺激による毛嚢炎(もうのうえん)、外耳道の湿疹などが原因で起こります。
急性中耳炎はかぜやインフルエンザの菌が中耳に達して炎症を起こすもので、きちんと治療をしないと、耳の中に分泌のたまる滲出性中耳炎や鼓膜が癒着を起こす癒着性中耳炎、慢性化膿性中耳炎になってしまうことがあります。
内耳炎は、中耳炎が内耳に波及する場合と、おたふくかぜ、インフルエンザ、はしかなどのウイルスが血行を介して感染してしまう場合とがあります。
中耳炎の種類
急性化膿性中耳炎
インフルエンザなどの菌で炎症を起こします。
耳の痛みなどの症状が起こります。
鼓膜穿孔(慢性化膿性・単純性中耳炎)
鼓膜に穴があいた状態になります。
耳のケガなどが原因で起こります。
軽い難聴があり、耳に水が入って起こると耳だれも起こります。
滲出性中耳炎
耳の中に分泌物がたまります。
耳のつまった感じと軽い難聴の症状が特徴です。
癒着性中耳炎
難治性癒着性中耳炎から鼓膜と鼓室の裏が癒着して起こります。
真珠腫性中耳炎
鼓膜や外耳道の皮膚が中耳腔に入り、袋状にふくらんで起こります。
航空性中耳炎
飛行機に乗ったときなどに起こります。
痛み、難聴から内出血になることもあります。
痛い外耳炎、発熱を伴う中耳炎。内耳炎では難聴の危険性も
外耳炎の症状としては、耳の痛みがあげられます。
耳介をひっぱったり、押したりすると痛みが強くなるのも特徴で、炎症がひどくなると膿(うみ)のかたまりができることもあります。
中耳炎では、耳の痛みのほかに発熱が起こったり、膿のまじった耳だれがでたりします。
ただし、乳幼児の場合は、機嫌の悪いことだけが症状であることが多いので、発見が遅れるなど注意が必要です。
慢性化膿性中耳炎では、軽度の難聴もみられます。
内耳炎では、耳鳴りに難聴とめまいを伴うこともあり、また、それぞれが単独で現れることもあります。
めまいは一過性のもので回復しますが、難聴は回復する場合もあれば、徐々に進行して回復が望めない場合もあります。
改善に効果的な栄養素
免疫力を高めるビタミンAとビタミンCの摂取が有効です。
外耳炎には、粘膜を健康に保つ働きのあるビタミンAが有効です。
免疫力を高めて感染に対する抵抗力を強める働きもあるので、中耳炎や内耳炎の予防や改善に効果的です。
ビタミンCにも同様に、ウイルスと戦う白血球の働きを強化したり、みずからウイルスに攻撃をしかけるなど、体の免疫力を強める効果があります。
耳鳴り
健康な人でも起こるが、長引くときは要注意
外では音がしていないのに、耳の中で音を感じる聴覚現象を耳鳴り(耳鳴)と呼んでいます
耳鳴りは健康な人でもよく感じますが、長く続いたり、めまい、発熱などをともなう場合は、医師の診察が必要です。
耳鳴りは難聴にともなって起こることも多く、一般に、「キーン」「ピー」などの高音の耳鳴りは内耳や中枢系の病気による場合が多く、「シャー」「ザー」といった低音の耳鳴りは中耳の病気が多いとされています。
外耳の病気
耳垢栓塞、外耳道炎、外耳道異物
中耳の病気
耳管狭窄症、耳硬化症、鼓膜穿孔、急性慢性中耳炎
内耳の病気
メニエール病、突発性難聴、騒音性難聴、内耳性難聴、老人性難聴
聴神経・中枢聴覚路の病気
聴神経腫瘍、脳出血
その他
心因性、更年期障害、薬物中毒
耳鳴り・難聴改善に効果的な栄養素
耳鳴りや難聴の症状がある場合、脳への血流を改善すると症状が改善される場合があります。
そのためには、血液の循環をよくするEPA、DHA、ギンコライドなどが有効といわれています。
また、血管を正常に保つレシチンも有効です。
ギンコライドはイチョウ葉特有の成分で、血小板凝集抑制作用という働きがあり、毛細血管の血流を良くし、血液をサラサラにしてくれます。
EPAとDHAの効率的な摂取方法
DHA・EPAを摂取する上で注意するポイント
DHAやEPAを摂っても効果がなかった3つの理由(DHA・EPAの弱点)
厚生労働省が摂取を推奨するオメガ3系脂肪酸(n-3系列の多価不飽和脂肪酸)がDHA・EPAという健康・美容成分です。
青魚に含まれるサラサラ成分として有名なDHAとEPAは、体内ではほとんど作られないため毎日の食事などで摂る必要があります。
しかし、体に吸収するには次のような弱点があります。
弱点その1 DHA・EPAは魚を焼いたりして加熱することで大きく減少します
フライにするとDHAは約50%減少、焼き魚にするとEPAは約20%減少してしまいます。
効率よく摂るには、脂肪を多く含む魚介類を鮮度のいいうちに食べることが大切です。
でも、体に必要な量の魚介類を毎日たくさん食べるのは大変です。
きちんと毎日補うにはサプリメントが効率的です。
弱点その2 DHA・EPAは体への吸収率が高くありません
いくら摂取しても、体にしっかり吸収されなければ効果が低減してしまいます。
DHA・EPAは油ですのでこれだけでは水に溶けません。
通常の油が体内に入ると、胆汁(脂肪分解酵素)の働きでようやく水に溶ける形になり、吸収される準備が整います。
従来の魚油由来のDHA・EPAは、中性脂肪型というものなので、水に溶けることはなく、体質によって消化吸収力が弱い方は効率的な摂取が難しい場合があります。
弱点その3 DHAやEPAは酸化しやすい
DHAやEPAはもともと酸化しやすい性質があります。
そのため、体のすみずみまで行き届くまでの間に劣化して、せっかくの効能が失われてしまう場合があります。
このような点を考慮して効率的にDHA・EPAを摂取するには「クリルオイル」というものがおすすめです。
クリルオイルとは?
クリルオイルはその効率の良さから、「次世代型オメガ3」と呼ばれています。
クリルオイルとは、南極オキアミというエビのようなプランクトンの一種から抽出される素材です。
最大の特徴は、水に溶ける性質を持つDHA・EPAと美容成分として重宝されている「アスタキサンチン」が天然に含まれていることです。
リン脂質結合型DHA・EPA
クリルオイルのDHA・EPAは特殊です。
魚油にもDHA・EPAは含まれますが、水と反発し体への吸収力が高くありません。
それに対し、クリルオイルのDHA・EPAは体への吸収率が高い性質をもっています。
それは「リン脂質結合型DHA・EPA」といって、他のオイルでは見られない性質をもっています。
DHA・EPAは油ですのでこれだけでは水に溶けません。
ところがクリルオイルのDHA・EPAには「リン脂質」というものが結合しています。
「リン脂質」は水に溶ける性質があり、このためクリルオイルのDHA・EPAは水に溶ける特徴があります。
リン脂質とは細胞膜の組織です。
私たちの体は60兆個の細胞でできているといわれますが、そのすべての細胞の膜は「リン脂質」です。
通常の油が体内に入ると、胆汁(脂肪分解酵素)の働きでようやく水に溶ける形になり、吸収される準備が整うのに対して、クリルオイルのリン脂質結合型DHA・EPAは直ちに小腸から吸収されます。
クリルオイルを摂取すると、血中の「オメガ3指数」が1~2時間で跳ね上がるという報告があります。
従来のDHA・EPAでは体質によって消化吸収力が弱い方は、効率的な摂取が難しい場合がありましたが、クリルオイル由来の「リン脂質結合型DHA・EPA」はその心配はほとんどありません。
アスタキサンチンの効果
アスタキサンチンは、非常に強い抗酸化力を持ち、ビタミンEの約550倍~1000倍にも相当する物質です。
アスタキサンチンが含まれていることで、強い抗酸化力によって配合されているDHAやEPAの酸化を防いでくれる効果が注目されています。
DHAやEPAはもともと酸化しやすいのですが、アスタキサンチンがその弱点をカバーし、DHA・EPAの酸化を防いでくれます。
クリルオイルに含まれるアスタキサンチンは、素材の力を守り抜く力を兼ね備えています。
さらに、アスタキサンチンは美容や健康に効果があり、美肌や美白作用があります
老化を促進する活性酸素の発生も抑制できるため、肌を若々しく保つ効果が期待できます。
また、免疫機能を改善したり、血液中のコレステロールが酸化されるのを防ぎ、血液をサラサラにして、動脈硬化を予防します。
クリルオイルは安全性が高い
クリルオイルの原料の南極オキアミはきれいな南極だけに生息するプランクトンです。
人間界の汚染から最も離れたきれいな海に生息し、食物連鎖の底辺なので、生物濃縮による汚染物質の蓄積とも無縁です。
不純物が蓄積されにくく、安全性がとても高いのが特徴です。
クリルオイルについては、次の記事に詳しく書いています。
クリルオイルについての詳しい記事はこちらからご覧ください。
「めまい」について
まわりのものが動くように感じ、まっすぐ立てなくなる症状です。
めまいとは
めまいはさまざまな原因で起こりますが、大きくわけて耳の病気によるものと、それ以外によるものがあります。
ここでいう耳の病気とは、体の平衡感覚をつかさどる内耳などの器官の異常で、メニエール病が代表的なものです。
それ以外によるものは、脳への血液量が減ることによって起こるめまいもあり、その原因には低血圧や貧血、更年期障害や自立神経失調症などが多くみられます。
めまいの種類と病気
回転性めまい
症状
・目がまわる
・天井や床がまわる
・柱が流れて見える
末梢系の病気の場合
・メニエール病
・突発性難聴
・良性発作性頭位めまい
・内耳炎
・前庭神経炎
中枢系の病気の場合
・小脳・脳幹部の出血・梗塞など
非回転性のめまい
症状
・ふらふらと揺れる感じ
・足が地につかない感じ
末梢系の病気の場合
・内耳の病気など
中枢系の病気の場合
・聴神経腫瘍
・小脳腫瘍
・椎骨脳底動脈循環不全など
平衡失調のめまい
症状
・歩行障害
・つまずく
・転倒する
末梢系の病気の場合
・内耳障害
中枢系の病気の場合
・脊髄小脳変性症など
仮性めまい
症状
・頭や体がふわっとする
・立ちくらみがする
・一瞬意識が薄れる
原因
・高血圧症
・低血圧症
・神経調節性失神
・自律神経失調症
・心因性めまい
めまい改善に効果的な栄養素
自立神経の不安定や過労、ストレスなどが誘因となることが多いので、心身の疲労をためないことが、めまいの予防として大変重要になります。
栄養バランスのよい高ビタミン・高たんぱくの食事が不可欠です。
高たんぱくで消化がよく、血管を丈夫にして脳を活発に働かせるビタミンB群がたっぷりの納豆がおすすめです。
めまいが起こってしまったら、鎮静作用のあるカモミールなどのハーブティーやサフランを試してみるのも効果的です。
納豆に関しては下の記事で詳しく書いています。
納豆についての詳しい記事はこちらからご覧ください。
次にメニエール病についてご紹介したいと思います。
メニエール病
メニエール病とは?
内リンパの水腫が原因で突然のめまい発作が起こる疾患です。
メニエール病は、突然起こる激しいめまい発作に、耳閉塞感、耳鳴り、難聴といった症状を伴う内耳性のめまい疾患です。
発作が起こったときには、吐き気、嘔吐、頭痛、頭重感、肩こり、首のこりなどの自律神経症状を伴います。
文明病の1つともいわれ、日本でも戦後、急激に増加しました。
メニエール病のめまいでは、吐き気や嘔吐を伴うことが多いのですが、これは左右の耳の前庭系のバランスが崩れるためで、ちょうど乗り物酔いをしたときと同じような感じです。
顔色が青くなり、冷や汗が出たり、吐き気や嘔吐といった症状が出ます。
原因
原因は、内耳の中が水ぶくれの状態になる「内リンパ水腫」です。
内リンパ水腫が起こると、急激に内耳内の圧力が高まり、その影響で難聴やめまいが起こります。
文明病、ストレス病の代表格と考えられているこの病気は、肉体的・精神的なストレスが引き金となります。
発作の予防には、ストレスを減らし、ためこまないことが大切です。
メニエール病に効果的な栄養素
メニエール病に有効に働く成分としてはビタミンC、ビタミンE、ビタミンB1、カルシウム、マグネシウム、ギンコライドなどがあります。
ビタミンCは抗ストレスホルモンの生成を促し、ビタミンEはストレスへの抵抗力を高めるとともに血行を良くする効果があります。
ビタミンB1はエネルギー代謝に欠かせない成分です。
カルシウムやマグネシウムは神経細胞の働きを支える成分で、ギンコライドは血行を促進する効果があります。
耳鳴り・めまい・難聴などの症状にお困りの方へ
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めまい、耳鳴り改善におすすめです。
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茯苓、桂皮、白朮、甘草という4種類の生薬を配合しています。
・血液循環を調整して、血流を体表に向かわせる働きがあります。
・血液循環機能を促進し、発汗と利尿作用を強めることで局所の体液停滞を軽減し、体の体液代謝を促進します。
・耳鳴りやめまい以外にも立ちくらみ、頭痛、動悸、息切れ、神経症、神経過敏にも効果的です。
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【太陽の恵み】
耳鳴り・難聴の症状の予防・改善に効果的なサプリメントです。
次の成分が配合されています。
・赤ブドウ葉
・オリーブ葉エキス
・アスタキサンチン
・ビタミンC
・ナイアシン
・パントテン酸
・β-カロテン
・ビタミンB2
・ビタミンB1
・ビタミンB6
・ビタミンD
・ビタミンB12
・ビタミンE
・ビタミンB12
赤ブドウ葉
赤ワインの100倍から300倍ともいわれる豊富なポリフェノールが含まれているので、血管をしなやかにしてくれます。
ポリフェノールの中でも、特に最近注目されている成分がアントシアニンです。
赤ブドウ葉にはこのアントシアニンが多く含まれています。
アントシアニンは末梢血管を拡張して血流を改善、めぐりを改善する効能があります。
また、抗酸化作用が強いため、活性酸素の抑制を行い細胞の損傷を避けることができます。
オリーブ葉エキス
オリーブ葉には、鉄分やカルシウム、ビタミンEのほか、オレウロペイン、オレイン酸、エレノル酸、ヒドロキシチロシンといった有効成分が含まれています。
オレウロペインは、強い抗酸化力を持つポリフェノールの一種で、体内で抗生物質のような働きをし、細菌や真菌、ウイルスが体内に侵入すると反応し、免疫細胞の働きを活性化して、感染症を予防します。
不飽和脂肪酸のオレイン酸は、血液のLDL(悪玉)コレステロールを排除して、動脈硬化や心臓病、高血圧を予防するほか、胃酸の分泌を調整して、胃潰瘍を防ぐ効果があります。
エレノル酸には、ウイルスやバクテリアの生成を抑え、感染症に対する免疫機能を高める働きがあります。
ヒドロキシチロシンには、抗炎症作用があります。
アスタキサンチン
アスタキサンチンは、非常に強い抗酸化力を持ち、ビタミンEの約550倍~1000倍にも相当する物質です。
免疫機能を改善したり、血液中のコレステロールが酸化されるのを防ぎ、血液をサラサラにして、動脈硬化を予防します。
アスタキサンチンは美容や健康に効果があり、美肌や美白作用があります
老化を促進する活性酸素の発生も抑制できるため、肌を若々しく保つ効果が期待できます。
ビタミンC
ビタミンCは副腎に働きかけ、ホルモンの合成に作用します。
副腎は副腎皮質ホルモンをつくり、エネルギーを増大させるために、ビタミンCを必要とします。
ストレスが生じると、副腎皮質ホルモンが分泌され、血圧を上昇させ、血中の糖分を増やしてエネルギー増産体制を整え、ストレスに対抗する力を作ります。
このことから、ビタミンCは抗ストレスビタミンと呼ばれています。
また、ビタミンCは体内で感染を除去したり、炎症の原因となるフリーラジカルを消去します。
ビタミンCは白血球に働きかけ、強化することによって、ウイルスに対抗できる免疫力を高めることができます。
ナイアシン
・皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きをします。
・ナイアシンは、糖質、脂質、たんぱく質の代謝に働き、細胞でエネルギーを産生する際に働く酵素を補助します。
・血行を改善して、脳神経の働きを良くする、コレステロールや中性脂肪を分解するなどの働きがあります。
・喘息患者の喘鳴(呼吸のたびに出るゼイゼイ音)を起こりにくくする効果があります。
ナイアシンが不足すると肌細胞の生まれ変わりがうまく行われなくなり、肌荒れになることがあります。
細胞のエネルギーが不足することで、倦怠感を感じることもあります。
また、不足するとペラグラという症状が起きます。
日光を浴びやすい顔や手足を中心に炎症が起き、下痢などの胃腸障害を発症します。悪化すると、頭痛やうつなどの精神症状を生じます。
パントテン酸
パントテン酸は食べ物から摂った炭水化物(糖質)や脂質、タンパク質、いわゆる三大栄養素の代謝に関わっています。
パントテン酸はビタミンB1と一緒に糖質を分解する働きをするほか、ビタミンB2とともに脂質の代謝を助けます。
パントテン酸は副腎皮質ホルモンの産出を促す働きがあります。
副腎皮質ホルモンはストレスに対抗するため、血糖値を上げて、エネルギーを向上させる作用があります。
また、パントテン酸は善玉コレステロールを増やす働きがあります。
さらに、免疫力や自律神経の働きを高める作用も認められています。
β-カロテン
β-カロテンは目に必要な成分です。
目の健康だけでなく、皮膚や粘膜を正常に保つ働きもあり、β-カロテンが不足すると皮膚や爪がボロボロになってしまいます。
β-カロテンは体内でビタミンAとして働き、皮膚や粘膜を丈夫にして免疫力を高めます。
また、体内で発生する活性酸素を抑制し、お肌や若々しい体作りをサポートしてくれます。
ビタミンB1
次のような効能があります。
・皮膚や粘膜の健康維持を助ける働き
・糖質をエネルギーに変えて疲れにくくする働き
ビタミンB1は糖質をエネルギーに変える働き(糖質の代謝を促進)があります。
体内で糖質をエネルギーに変えるとき、酵素の働きが必要になります。
この酵素がしっかりと機能するには補酵素が不可欠で、ビタミンB1は補酵素の働きを果たしています。
糖質代謝を促す酵素はアミノ酸だけからなる純タンパク質(アポ酵素)で、この酵素の働きを助ける補酵素がなければ、糖質をエネルギーに変えることはできません。
乳酸を分解して筋肉の疲れをやわらげる働き
ビタミンB1が不足すると、糖質がきちんと代謝できず、体内に乳酸などの疲労物質が蓄積され、疲れやすくなったり、筋肉痛を起こしやすくなったりします。これが肩こりの原因になると言われています。
脳や神経を正常に保つ働き
ビタミンB1は、脳や神経にとっても大切で、中枢神経や手足の末梢神経を正常に働かせる作用があります。
ビタミンB1は脳や神経の働きを助けるので集中力が増し、記憶力が向上します。
また、手足や足先などの感覚が敏感に働くようになります。
ビタミンB1が不足した場合
ビタミンB1が不足すると、イライラなどの症状や集中力の低下、さらに食欲不振、全身の倦怠感、手足のむくみやしびれ、動悸、息切れ、筋肉痛、脚気などがあらわれます。
また、脳には、血管収縮作用によって脳を活性化させるセロトニンという物質がありますが、ビタミンB1が欠乏することで、セロトニン代謝が正常に行われず、脳の機能がうまく作動せず、気力減退や慢性的な眠気を引き起こします。
アルコールを分解するのにもビタミンB1は必要です。
お酒を毎日大量に飲み、慢性的にビタミンB1が不足している人は、中枢神経が侵されるウェルニッケ・コルサコフ症候群という神経疾患にかかることがあります。
手足や顔面の麻痺、言語障害、記憶障害などがあらわれます。
ビタミンB2
次のような効能があります。
皮膚や粘膜の健康維持を助ける
美容のビタミンとも呼ばれ、皮膚や粘膜を保護し、肌・爪・髪の発育や体全体の抵抗力を強め、成長と生殖を助ける働きをします。
ヒアルロン酸の持つ保水力を高める働き
みずみずしい肌をキープするのにも必須のビタミンです。
脂肪の代謝を助ける(脂肪の燃焼を促進)
脂肪を燃やしてエネルギーに変えるときに、補酵素として働きます。
脂肪が多い食べ物を多くとった時には、ビタミンB2も多めに摂ると、脂肪が次々と燃焼されるので、脂肪太りのダイエットには大きな効果があります。
血液サラサラ効果
体内の活性酸素と結びつくことで生まれる有害物質である過酸化脂質の分解に作用して、コレステロールや中性脂肪を減らす働きがあります。
ビタミンEは過酸化脂質ができるのを防ぐ働きを持っていますが、ビタミンB2はつくられた有害な過酸化脂質を分解・消去するのに役立ちます。
ビタミンB2が不足した場合
不足すると、口内炎など粘膜のトラブルや皮膚炎があらわれます。
ビタミンB6
次のような効果があります。
・皮膚や粘膜の健康維持を助ける
・体外から侵入した病原体を攻撃して無力化させる免疫物質の「免疫グロブリン」を作るのに欠かせない成分です。
・たんぱく質の代謝を助ける
たんぱく質の材料となるアミノ酸を合成したり、分解したりする酵素を助ける補酵素として働きます。
・摂取したたんぱく質が体内で有効に利用されるためには、ビタミンB6の助けを借りることが必要です。
・たんぱく質をたくさん摂取している人や、サプリメントとしてプロテインを摂っている人は、ビタミンB6も同時に摂る必要があります。
・神経伝達物質の生成を助け精神状態を安定させる
神経細胞間で情報を伝達するアドレナリン・ドーパミン・セロトニン・GABAなどの神経伝達物質の生成に関わっています。
不足すると、神経の働きをよくするアミノ酸の代謝が停滞して、不眠症やうつ状態になることもあります。
・赤血球を生成する(貧血予防効果)
・免疫系を正常にして、アレルギー症状を抑える(ぜんそくや花粉症、慢性鼻炎)
・脂質の代謝をサポートして、肝臓に脂肪が蓄積するのを防ぐ
・月経前にイライラしたり、うつ状態になったり、頭痛に悩まされるといったPMS(月経前症候群)や「つわり」を軽減する。
ビタミンB6は、卵胞ホルモンの代謝に働きかけ、ホルモンのバランスを整えます。
このためホルモンのアンバランスから体調が崩れるPMS(月経前症候群)を改善する効果があります。
また、妊婦さんのつわりにも効果的です。
つわりの原因であるトリプトファンというアミノ酸の代謝不調を正常に整えてくれます。
ビタミンB6は赤ちゃんの脳神経系の発達にも関わるので、妊娠中はしっかりと摂ることが重要です。
・ビタミンB6が不足すると、口内炎や口角炎、肌荒れ、湿疹、手足のしびれ、こむら返りなど、さまざまな症状が起きることがわかっています。
・ビタミンB6を葉酸やビタミンB12とともに摂取することで、動脈硬化の原因物質ホモシステインの増加が抑えられます。
・ビタミンB群の中でも、ビタミンB2、B6、ナイアシンはお互いに不可欠な存在です。
ビタミンB6は、ビタミンB2がなければ働くことができず、ナイアシンはビタミンB6なしでは役割を果たすことができません。
ビタミンB6が活性型に変わると時にはビタミンB2が必要です。
また、アミノ酸のひとつ、トリプトファンからナイアシンが合成されるときには、ビタミンB6が必要です。
ビタミンB12
ビタミンB12は葉酸と一緒になって赤血球のヘモグロビンの合成を助けています。
不足すると造血がうまくいかず、赤血球の数が減ったり、異常に大きい赤血球ができたりと、生成がうまくいかなくなります。
そうすると全身に酸素が行きわたらなくなり、だるさや動悸・息切れなどが起こってしまいます。
これを「悪性貧血」と呼んでいます。
また、ビタミンB12はタンパク質や脂質のエネルギー化にも関わっているほか、脳の中枢神経や末梢神経の機能を正常に働かせる重要な役割もあります。
肩こりや腰痛には末梢神経が関係しているため、ビタミンB12には、痛みを軽くする働きもあります。
ビタミンD
ビタミンDの働きは、カルシウムの吸収をサポートし、骨の形成、維持をうながすことです。
摂取されたビタミンDは、肝臓と腎臓を経て、活性型ビタミンDに変換されます。
活性型ビタミンDは、腸でのカルシウムの吸収を高め、血中のカルシウム濃度を高めます。
これにより、カルシウムが骨や歯に沈着し、成長促進や骨密度アップの働きをします。
人間の体にあるカルシウムのうち、99%は骨にあり、残りの1%は血液や筋肉に含まれます。
血液中のカルシウムは、筋肉の収縮などに役立てられます。
ビタミンDは、この血中カルシウム濃度をコントロールする役割も担っていて、カルシウムの摂取量が少ないと骨にあるカルシウムを血液に放出し、十分にある場合には、骨に蓄えます。
ビタミンE
酸化ケア力が強く、体内の活性酸素をケアし、悪玉コレステロール対策に役立ちます。
体の中から若々しさを保つ大切な成分です。
抗酸化作用は美肌をキープするためには必須なもので活性酸素を減らしてくれる作用があります。
また、ビタミンEはビタミンCの吸収率を高める効果があります。
冷え性改善・肩こり改善・美肌効果
ビタミンEは、末梢神経や毛細血管を広げて血行を促進し、自律神経を整えます。
血流が良くなるので、冷え性や肩こり、腰痛などが改善されます。
全身の血行がよくなることで新陳代謝が活発になり、肌のハリが出てきます。
さらに、ビタミンEは紫外線に対する抵抗力を上げる特性もあるので、シミやそばかすにも効果的です。
貧血予防
赤血球の細胞膜を強化することから貧血予防に効果的です。
血行を良くする効果
善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールを減らして、血行を良くします。
血行が良くなると、血管も強化されます。
また、血管壁に沈着しやすい中性脂肪を減らす働きがあるので、動脈硬化の予防にもなり、血圧が下がります。
抗酸化作用によって、過酸化脂質の生成を抑え、生体膜を活性酸素から守り老化を防ぐ
毒性が強い過酸化脂質は、不飽和脂肪酸と酸素が結合してできる物質で、細胞内にできやすく、強い毒性があります。
そして、細胞膜を破壊して細胞の働きを衰えさせ、栄養分の補給や老廃物の排出などの機能を麻痺させます。
これが老化現象です。
抗酸化作用のあるビタミンEを摂取することで、過酸化脂質の生成を抑え、細胞が急激に老化するのを防いでくれます。
黄体ホルモンや性ホルモンのバランスを整える
ビタミンEは女性ホルモンの代謝にも関与しています。
脳下垂体に働きかけてホルモンの分泌を促進させ、月経前のイライラや生理痛、生理不順などを改善します。
ビタミンEは女性の不妊治療や更年期障害の治療に使用されることもあります。
ビタミンEは黄体ホルモンや性ホルモンなどのホルモンの生成に関与しています。
更年期障害は、黄体ホルモンの分泌状態が変化することにより、月経異常や身体的、肉体的に不安定な状態が起こるものですが、ビタミンEによって黄体ホルモンが生成されることで、その症状は軽減されます。
同様に性ホルモンのバランスが重要な生殖機能を正常に保つ働きもあります。
【太陽の恵み】の詳細はこちらをご覧ください。
読んでいただきありがとうございました。
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