【蜂の子】美肌にも!健康にも!貧血改善!栄養素豊富
蜂の子は、古くから漢方生薬として用いられています。
蜂の子にはアミノ酸や各種ビタミン、鉄、カルシウム、亜鉛、セレンなどのミネラルが豊富に含まれ、栄養価が高いのが特徴です。
鉄は豚レバーに匹敵するほど多く含みます。
特に産卵後21日目で羽化直前の雄蜂の子は、アミノ酸の含有量が最多であり、成長ホルモンといわれるエクジソンも含まれ、栄養価が高いといわれています。
中国での臨床研究により、蜂の子の粉末が耳鳴りや難聴に効果があると発表され、そのほか、かすみ目、めまい、不眠症、貧血、抜け毛などの症状に効果があるといわれています。
鉄や亜鉛はコラーゲンの合成とも深い関わりのある栄養素です。
コラーゲンと鉄・亜鉛
鉄
鉄はたんぱく質の一種であるコラーゲンの合成にかかわっています。
肌や髪、爪の質の低下はたんぱく質だけでなく、鉄不足が原因の場合が多いといわれています。
コラーゲンは体内に入るときに分解されてしまうのですが、それを再合成するときに鉄が必要です。
また、ニキビや湿疹ができやすいのも、鉄欠乏が原因している場合があります。
亜鉛
亜鉛はビタミンCとともにコラーゲンの生成に関わり、皮膚や骨を健康に保つために重要な栄養素です。
そのため亜鉛が不足すると、コラーゲンの生成がうまくいかずに肌荒れや老化が進んだり、シミ、シワ、ソバカスが増えたりします。
蜂の子に含まれる栄養素
・アミノ酸
・鉄
・亜鉛
・セレン
・カルシウム
蜂の子の効能
アミノ酸
必須アミノ酸が9種全て含まれているだけでなく、計18種が豊富に含有されています。
体をつくるアミノ酸
アミノ酸には、そのひとつひとつに多様な機能があり、体の健康、美容に働きかけてくれます。
人の体のたんぱく質を構成するアミノ酸は約20種類あります。
体内で合成できない必須アミノ酸(9種類)と体内で合成できるが生体維持に極めて重要な働きをする非必須アミノ酸(11種類)に分けられます。
さらに、その他にも体に様々な効果のあるアミノ酸があります。
必須アミノ酸
人の体のたんぱく質を構成するアミノ酸のうち、体内で合成できない9種類を必須アミノ酸といいます。
バリン、ロイシン、イソロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、ヒスチジン
たんぱく質(アミノ酸)を摂取することのメリット・必要性
たんぱく質は細胞の材料となり、皮膚、筋肉、血管、血液、骨、髪、爪、歯、内臓はもちろん、酵素やホルモンにいたるまで人の体をつくっている非常に大切な栄養素です。
生命を維持するために、たんぱく質は毎日、人の体から一定量消費されます。
極端なダイエットをしてカロリー制限をしている人のなかには、たんぱく質不足の方も多いといわれています。
体重が落ち、ダイエットが成功したかに見えても、実は大切な筋肉まで落ちていて、体の中は低栄養状態でボロボロであることも多いです。
さらに、たんぱく質は、体内で栄養を運ぶ役割も果たしています。
どんなにいい栄養をとっていても、たんぱく質がなければうまく運ぶことができなくなってしまいます。
全身は新陳代謝により日々入れ替わっていますので、日々のたんぱく質が不足すると、身体のコンディションに良くないことが出やすくなります。
特に、筋肉の維持や増強など運動で鍛えている人には欠かせない栄養素です。
アミノ酸のダイエット効果
基礎代謝量が高い人ほど、エネルギーを消費しやすく、太りにくく痩せやすい体です。
ダイエットには、基礎代謝を上げることが大切です。
そのポイントは筋肉です。
筋肉が多いほど、基礎代謝アップにつながります。
そんな脂肪が燃えやすい体づくりで注目を浴びているのがアミノ酸です。
筋肉の原料であるアミノ酸を補給することで、脂肪の燃焼工場である筋肉が増え、基礎代謝が上がり、それによって消費エネルギーが増え、太りにくい体がつくられます。
アミノ酸の美容効果
美肌とは、水分が保持されたうるおいのある肌のことです。
肌の表面をおおう角質層にはNMF(天然保湿因子)という天然の保湿因子があり、それが肌の水分を保っています。
このNMFが不足すると、角質層の水分が減り、乾燥した状態になってしまいます。
また、肌にハリをもたせるのは、コラーゲンです。
コラーゲンは加齢、紫外線、不規則な生活や過度のダイエットで不足してしまいます。
このNMFもコラーゲンも主要成分はアミノ酸です。
つまり、肌の乾燥やたるみの原因はアミノ酸不足と関係しています。
コラーゲンは体内にもともと存在し、体にとって大切な栄養素ですが、年齢を重ねるにつれ減り続け、40代で約半分まで減少してしまいます。
キレイを保つためには、コラーゲンを補うことが大切ですが、コラーゲンは体内での分解や吸収がされにくく、分解されたアミノ酸がコラーゲンに再合成されにくいとい
われています。
だからといって、コラーゲンの摂取が無駄というわけではありません。
栄養素として十分に役立っています。
コラーゲンは、グリシン、プロリン、アラニンなど17種類のアミノ酸から構成されています。
しかし、コラーゲンを摂取するより、直接アミノ酸を摂取した方が、美肌には効果的といわれています。
鉄
コラーゲンの再合成
鉄はたんぱく質の一種であるコラーゲンの合成にかかわっています。
肌や髪、爪の質の低下はたんぱく質だけでなく、鉄不足が原因の場合が多いといわれています。
コラーゲンは体内に入るときに分解されてしまうのですが、それを再合成するときに鉄が必要です。
また、ニキビや湿疹ができやすいのも、鉄欠乏が原因している場合があります。
赤血球の成分となって全身に酸素を運ぶ
鉄分の働きは血液に乗って全身に酸素を運ぶことです。
鉄は赤血球の血色素「ヘモグロビン」や、筋肉の「ミオグロビン」などの構成性成分となり、体内で酸素を運搬する役割を担っています。
体力の回復を早めたい方、特に鉄分が気になる女性の方に必要な栄養素です。
鉄は赤血球を作るのに必要な栄養素です。
体内の鉄分が不足すると全身への酸素供給が不足し、体がだるい、疲れやすいと感じやすくなります。
活性酸素を除去して老化を抑制する効果、体内の免疫機能の維持などの効果もあります。
ヘム鉄と非ヘム鉄
食物中の鉄には「ヘム鉄」と呼ばれる二価鉄と「非ヘム鉄」と呼ばれる三価鉄があります。
吸収率はヘム鉄が約15~25%、非ヘム鉄では吸収率がわずか2~5%です。
「ヘム鉄」の方が吸収率は5~6倍高くなっています。
ヘム鉄(二価鉄)はそのまま腸管で吸収することができます。
非ヘム鉄の三価鉄は結合している有機物が胃酸によって溶解し、ビタミンCなどの作用で二価鉄に還元されたのち腸管から吸収されます。
腸管で吸収された鉄は、小腸粘膜細胞で三価鉄になりアポフェリチンというたんぱく質と結合し、フェリチンとなります。
ヘム鉄
ヘム鉄の吸収率は約15~25%です。
胃壁や腸管を荒らさず、タンニンや食物繊維などの吸収阻害を受けずに吸収されます。
さらに過剰摂取の心配がなく、身体に優しい鉄分です。
非ヘム鉄
非ヘム鉄は吸収率がわずか2~5%です。
腸から吸収される際にタンニンや食物繊維などの吸収阻害を受けていたり、胃腸や腸管を荒らすといった副作用があります。
機能鉄と貯蔵鉄
体内の鉄は、ヘモグロビンやミオグロビンのように、酸素の運搬役としての役割を果たしている「機能鉄」の他に、肝臓や脾臓、骨髄などに貯蔵されている「貯蔵鉄」があります。
鉄が骨髄に運ばれると赤血球合成に利用されます。
肝臓や脾臓に運ばれると、フェリチンとして三価鉄の状態で貯蔵されます。
さらにフェリチンの凝集体であるヘモジデリンとしても蓄えられます。
機能鉄が不足すると、それを補うために貯蔵鉄が利用されます。
これが少なくなると、鉄欠乏による貧血を起こします。
血液検査で貧血と診断されなくても、この貯蔵鉄が減少している状態の人も多いと言われています。
男性や閉経後の女性には、貧血はほとんど見られないのですが、月経のある年代の女性や妊娠中の方は、欠乏しやすいので注意が必要です。
体内の鉄分布
成人のからだには約4g(4000mg)の鉄が存在します。
赤血球
ヘモグロビンに含まれて、酸素を運搬します。
分量:3000mg
割合:60~70%
肝臓・脾臓
フェリチンやヘモジデリンとして貯蔵される。
分量:1000mg
割合:20~25%
筋肉
ミオグロビンに含まれて、酸素を運搬・貯蔵。
分量:130mg
割合:3~5%
骨髄
フェリチンとして貯蔵される。
分量:130mg
割合:4%
血漿
トランスフェリンとして結合して運ばれる。
分量:4mg
割合:0.1%
※血液中(赤血球を除く)の鉄が減少すると、フェリチン中の鉄が輸送たんぱく質のトランスフェリンと結合し、血液中を運ばれていきます。
鉄の吸収促進と阻害
食品中の鉄の多くは、吸収されにくい三価鉄の非ヘム鉄であるため、鉄吸収に影響を及ぼす要因に注意する必要があります。
鉄の吸収を促進するもの
ビタミンC
三価鉄を二価鉄に還元し、吸収を高めます。
クエン酸
鉄を溶けやすくします。(キレート作用)
※キレート作用とは?
クエン酸は身体に吸収されにくいカルシウムやマグネシウム、鉄、亜鉛などの脂溶性のミネラルを水溶性に変え、吸収を良くします。これをキレート作用といいます。
動物性たんぱく質
ミートファクター
※ミートファクターとは?
動物性たんぱく質は、ヘム鉄が利用されるのを助け、非ヘム鉄の溶解を助ける働きがあります。
この働きをミートファクターと呼びます。
鉄の吸収を阻害するもの
タンニン、フィチン酸
三価鉄が二価鉄に還元される前に結合して不溶性となり、鉄の吸収を阻害します。
タンニンを含むコーヒーや紅茶、緑茶などは、食事中や食後に飲むと余計に鉄分の吸収が悪くなってしまいます。
食物繊維
多量の食物繊維は、消化管内で、鉄をはじめとする陽(金属)イオンと結合して便中に排泄してしまいます。
ダイエットのためにサプリメントなどで食物繊維を大量に摂取する際には注意が必要です。
鉄の過剰症
鉄の吸収率は極めて低く、また腸粘膜にあるフェリチンという貯蔵鉄が鉄の吸収を調節(余った鉄は貯蔵されます)しているため、必要以上に吸収されることはほとんどありません。
それでも余った鉄は排泄されるので一般的な食事では過剰症の心配はありません。
しかし、サプリメント(鉄剤)などで必要以上に摂取すると、鉄が沈着するヘモクロマトーシスになる可能性があります。
※ヘモクロマトーシス
肝臓などの臓器の細胞に鉄が異常沈着し、肝機能障害を起こします。
亜鉛
亜鉛は、多くの酵素の構成成分(補助成分)になり、生体内での200種類以上の酵素反応に関与し、たんぱく質や糖、アルコールの代謝、免疫システム、ホルモン分泌などが正常に機能するのを助けています。
DNAやRNAの合成にも必要とされ、不足するとDNA複製が抑制され、細胞分裂も阻害されることになります。
そのことにより、細胞分裂が活発な皮膚や粘膜の健康維持にも関わっています。
亜鉛は成人体内に約2~4g含まれ、そのうち50%は血液に、約30%は前立腺や脳など各組織に、約20%は皮膚に存在しています。
必要度は非常に高いのに、体内にとどめておくことができないため、毎日食事などから摂取する必要があります。
また、亜鉛の吸収率は約30%とあまり高くはなく、十二指腸と回腸から吸収されます。
美肌に重要な栄養素
亜鉛は、細胞分裂するときに必要なミネラルです。
細胞が分裂する際に亜鉛が不足してしまうとDNAの読み取りがうまくいかず、新しい細胞が正常に生み出されません。
つまり亜鉛は細胞の新陳代謝が活発に行われているところでたくさん必要とされます。
例えば皮膚も新陳代謝が活発な部位です。
必然的にそこではたくさんの亜鉛が使われます。
皮膚の美しさに大きく関与するコラーゲンというタンパク質の生成に、ビタミンCが重要な働きをしていますが、亜鉛はビタミンCとともにコラーゲンの生成に関わり、皮膚や骨を健康に保つために重要な栄養素です。
そのため亜鉛が不足すると、コラーゲンの生成がうまくいかずに肌荒れや老化が進んだり、シミ、シワ、ソバカスが増えたりします。
ひどい火傷をしたときなどは、傷の治癒を助けるために亜鉛入りの治療剤を処方することもあります。
また亜鉛は髪の毛とも深い関わりをもっています。
日本人の髪の毛は黒いのでわかりやすいですが、亜鉛不足になると、その時期だけ毛が細く色も薄くなります。
脱毛してしまう場合もあります。
皮膚の亜鉛含有量
表皮と真皮に含まれる亜鉛の含有量の割合は、表皮5.6に対して真皮が1の割合で含まれています。
皮膚は表皮と真皮に分けられますが、亜鉛が多く含まれるのは表皮です。
表皮は角質を産生するケラチノサイト、メラニンを産生するメラノサイトが含まれ、真皮よりも生まれ変わりが早く、新陳代謝も盛んに行われています。
※コラーゲンとビタミンC
コラーゲンを摂ると、体内で消化・分解され、アミノ酸の形で吸収されます。
このアミノ酸を材料に、身体の中でコラーゲンが作られますが、はじめに未熟なコラーゲンが作られ、やがて成熟したコラーゲンになっていきます。
ビタミンCは、未熟なコラーゲンから成熟したコラーゲンになっていくときに、その合成を助ける働きがあります。
そのため、コラーゲンとビタミンCを一緒に摂ると、高い効果が得られます。
抗酸化作用
抗酸化酵素スーパーオキシドジスムターゼ(Zn-SOD)の成分としても重要です。
スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)は活性酸素を還元する酵素で、亜鉛や銅が構成成分となっています。
活性酸素はがんや動脈硬化などの多くの疾病に関係があるといわれ、また老化にも深く関わっています。
活性酸素を除去することで、健康や美容を維持することができます。
日焼けやストレスが多い人は体内で活性酸素が発生しやすいので、亜鉛などの抗酸化成分を摂った方がよいといわれています。
味覚を正常に保つ働き
亜鉛は味覚を正常に保つという重要な働きがあります。
口内には、舌を中心に「味蕾」という味を感じる細胞の集合体が存在しています。
味蕾は、新陳代謝が活発で、10~12日のサイクルで次々と新しくつくられます。
その形成にも亜鉛は不可欠です。
亜鉛不足が続くと味蕾が正常に維持されず、味覚異常が起こります。
亜鉛不足による味覚障害は、初期の段階なら亜鉛を摂取することで正常に戻すことができます。
しかし欠乏が長期化すると味細胞の再生は難しくなります。
亜鉛欠乏が長く続くと、ついには味細胞が壊れてしまうことが確認されています。
卵子の成長にも不可欠
女性の卵子にとって亜鉛は欠かせないものです。
受精した卵子はどんどん細胞分裂を繰り返していきます。
亜鉛は細胞分裂の際に必要なミネラルなので、受精卵の成長にしたがい多量に消費されます。
妊婦さんの血中亜鉛を測ってみると、胎児の成長に伴い体内の亜鉛が激減するのがわかります。
妊娠すると味覚が変わるというのはよく聞く話です。
中には本当に亜鉛不足による味覚障害になっている人もいます。
亜鉛不足のお母さんは早産しやすいということがスウェーデンの大規模な研究でも明らかになっていますし、赤ちゃんの体重が少なかったり、奇形が生じやすいなどといった報告もあります。
亜鉛は母体にも胎児にも、そして乳児の成長にも大きく影響するミネラルなので、妊婦さんや授乳中のお母さんは不足しないようにしっかり摂取することが大切です。
糖尿病に対する作用
血糖調節ホルモンであるインスリンの分泌を盛んにして血糖値を下げる働きがあります。
亜鉛は、血糖値降下作用のあるホルモンのインスリンの合成(結晶化)に必要なため、亜鉛欠乏により耐糖能が低下するとされています。
耐糖能
血糖値が、常に一定範囲内に収まるように調節する能力のことです。
免疫力を高める働き
免疫機能の主役であるT細胞やナチュラルキラー細胞(NK細胞)の働きをよくするといわれています。
亜鉛を豊富に摂取していると、風邪をひきにくくなるといわれています。
生体膜の安定化
生体の単位である細胞を包む細胞膜には脂質が多く、活性酸素によってダメージを受けやすい特徴があります。
亜鉛はその抗酸化作用により細胞膜の酸化を抑え、安定に保つ働きがあります。
細胞分裂の際のDNAの複製に関与
亜鉛不足でDNAがきれいに分かれないと正常な細胞が生み出されずに、細胞の老化が始まったり、がんになったりします。
傷口の治りを早める
傷口がふさがるということは新しい細胞が生まれているということなので、どんどん亜鉛が使われます。
貧血予防
成人では、亜鉛不足で貧血の原因にもなります。
唾液の分泌
唾液を分泌する細胞にも亜鉛が不可欠です。
子供の成長
亜鉛は成長ホルモンの機能維持や、骨の成長に不可欠です。
骨粗しょう症の予防もカルシウムだけではなく、亜鉛があってはじめてカルシウムは骨になります。
妊娠の持続
妊娠初期に亜鉛を不足させると、奇形児の生まれる率が高くなります。
その結果、早産も増えます。
亜鉛は細胞分裂に関わっていて、胎児が成長するために母親の体内の亜鉛が大量に使われます。
そのため妊婦は、妊娠週数が多くなるほど血清の亜鉛値は減少します。
母体の亜鉛不足は、赤ちゃんの成育にも影響を与えます。
アルコール分解
アルコールを分解するアルコール脱水酵素は亜鉛がないと、アルコールを分解できないので、悪酔いをします。
血中コレステロールの調整
亜鉛が足りなくなるとLDLコレステロール(悪玉コレステロール)の酸化が進み、それが動脈壁に沈着して血管が狭まり、高血圧や動脈硬化を引き起こします。
亜鉛は抗酸化作用により、LDLコレステロールの酸化を抑える働きがあります。
視力の維持
少し暗くなるとものが見えにくくなる夜盲症はビタミンAの不足が関与しているといわれていますが、亜鉛も関与しています。
ビタミンAの代謝に亜鉛は不可欠です。
記憶力
脳内で記憶をつかさどる海馬には亜鉛が多く存在し、記憶力にも必要だといわれています。
亜鉛が不足すると、脳の機能が低下し、記憶力が悪くなることもあります。
セレン
セレンは抗酸化酵素のひとつ「グルタチオンペルオキシダーゼ」の材料となります。
グルタチオンペルオキシダーゼは、細胞膜が酸化されてできる過酸化脂質を分解することで老化を防いだり、動脈硬化を防ぎます。
肌の若さを保つために大切な栄養素です。
セレンは、ビタミンEと一緒にとると、抗酸化作用が強くなります。
また、抗酸化や免疫力増強作用をもつコエンザイムQ10は、体内でも生成されますが、そのときセレンの助けを必要とします。
このほかにも次のような効果があります。
・免疫機能を高める効果
・大気汚染から呼吸粘膜を守る効果
大気汚染物質とアレルゲンを同時に吸入すると、アレルギー症状がひどくなることがわかっていますが、セレンや亜鉛は大気汚染物質から呼吸器粘膜を守る働きがあります。
・更年期障害の症状を改善する効果
・水銀やカドミウムといった有害物質から体を守る効果
カルシウム
美肌効果
カルシウムはNMF(天然保湿因子)の構成成分です。
また、カルシウムで新陳代謝が促進されます。
新しい皮膚細胞が成熟し、表皮の角質に成長するときにカルシウムが必要とされます。
カルシウムが充実していると、新しいお肌への生まれ変わりが活発になり、若々しく滑らかな表皮を保つことが出来ます。
骨や歯の材料
カルシウムは骨や歯の材料となります。
体内にあるカルシウムのうち99%は骨や歯にある「貯蔵カルシウム」で、1%は血液や筋肉、神経系に含まれる「機能カルシウム」です。
貯蔵カルシウムと機能カルシウムは相互関係があります。
機能カルシウムは血液中に溶け込んで血液凝固や精神安定の働きをしたり、筋肉の働きをサポートします。
機能カルシウムが不足すると、骨にある貯蔵カルシウムが放出されて、血中カルシウム濃度が一定に保たれます。
カルシウムの不足が続くと、骨にあるカルシウムが減少し、骨密度が低下し、骨折や骨軟化症、骨粗しょう症を起こしやすくなります。
成長期であれば、歯の質が悪くなったり、あごの発達が遅れます。
また、閉経前後の女性は骨代謝をうながすエストロゲンが減少するため、骨が弱くなります。
血中のカルシウム調節がうまくいかず、胃から多く溶け出してしまうようになり、骨に含まれるカルシウム量が減ってしまいます。
機能カルシウムが不足した場合
体内のカルシウムの1%は機能性カルシウムとして、血液中や筋肉、脳にあって、神経のいらだちを抑え、筋肉を収縮させて心臓の活動を規則正しく保つ働きをしています。
この1%のカルシウムが足りなくなると、体は不足分を骨から取り出し、血液中のカルシウムを一定に保つ仕組みをしています。
このため、不足が長引くと、骨のカルシウムが減少しスカスカになってしまいます。
血液中のカルシウムも補えないため、血行が悪化し、肩こりやいらいら、さらには動脈硬化や高血圧の原因にもなります。
骨の老化の原因
骨の老化は若くても引き起こります。
過度のダイエット
ダイエットの頻度が多いほど骨密度は減少するというデータがあります。
運動不足
運動不足が続くと破骨細胞が活性化し、骨密度が低下していきます。
過度の運動トレーニング
激しすぎる運動は乳酸等の有機酸を増加させ、骨からカルシウムが流出してしまいます。
栄養バランスの悪い食事
塩分の摂りすぎはカルシウムの排出を増加させてしまいます。
その他の作用
カルシウム不足はイライラの原因になったり、肩こりや腰痛を起こしやすくなります。
また、血行と血液の状態にも影響を及ぼし、高血圧や動脈硬化の原因にもなります。
この他にも、カルシウムは神経伝達物質をコントロールしたり、筋肉を収縮させたり、血液の凝固を促したり、ホルモンや唾液、胃液などの分泌に関わっています。
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