「馬肉」人気急上昇中!貧血改善(鉄欠乏性貧血・悪性貧血)
ラム肉(羊肉)もそうですが、馬肉は女性を中心に人気が高まっているお肉です。
馬肉は牛肉、豚肉などと同じように良質のたんぱく質(アミノ酸スコア100)が豊富で、しかも脂肪の量は少なく低カロリー(100g当たり110kcal)です。
また、鉄の含有量(100g当たり4.3mg)は食肉の中ではトップクラス、しかも悪性貧血予防に効果的なビタミンB12も豊富です。
さらに鉄の種類も体への吸収率が高い「ヘム鉄」が含まれています。
そのほかにも、ビタミンB2、ナイアシン、カリウムを含んでいます。
貧血の種類(鉄欠乏性貧血と悪性貧血)
貧血には体内の鉄分が不足することから起こる「鉄欠乏性貧血」と赤血球そのものが欠乏することによる「悪性貧血」があります。
「鉄分のサプリメントを飲んでいるけど、貧血がよくならない」といった方は、ビタミンB12や葉酸が不足していることで、悪性貧血を引き起こしている可能性が高いことがわかっています。
鉄分不足による貧血とは違い、赤血球そのものが不足すると、悪性貧血を引き起こします。
赤血球は4ヶ月で死滅しますが、新しい赤血球をつくるのに必要なビタミンB12や葉酸が足りないと、正常な赤血球ができず、悪性貧血になります。
また、ビタミンB6も赤血球を生成するために必要となります。
悪性貧血とは鉄分不足の貧血と違い、立ちくらみやめまいなどの症状のほかに、胃腸障害や頭痛、倦怠感などを引き起こし、症状が進行すると、神経障害や知覚障害などを引き起こすことがあります。
【馬肉に含まれる鉄欠乏性貧血に効果的な栄養素】
・鉄分(ヘム鉄)
・動物性たんぱく質
【馬肉に含まれる悪性貧血に効果的な栄養素】
・ビタミンB12
馬肉に含まれる栄養素
・鉄(ヘム鉄)
・ビタミンB12
・ビタミンB2
・ナイアシン
・カリウム
・カルノシン
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馬肉の効能
鉄
コラーゲンの再合成
鉄はたんぱく質の一種であるコラーゲンの合成にかかわっています。
肌や髪、爪の質の低下はたんぱく質だけでなく、鉄不足が原因の場合が多いといわれています。
コラーゲンは体内に入るときに分解されてしまうのですが、それを再合成するときに鉄が必要です。
また、ニキビや湿疹ができやすいのも、鉄欠乏が原因している場合があります。
赤血球の成分となって全身に酸素を運ぶ
鉄分の働きは血液に乗って全身に酸素を運ぶことです。
鉄は赤血球の血色素「ヘモグロビン」や、筋肉の「ミオグロビン」などの構成性成分となり、体内で酸素を運搬する役割を担っています。
体力の回復を早めたい方、特に鉄分が気になる女性の方に必要な栄養素です。
鉄は赤血球を作るのに必要な栄養素です。
体内の鉄分が不足すると全身への酸素供給が不足し、体がだるい、疲れやすいと感じやすくなります。
活性酸素を除去して老化を抑制する効果、体内の免疫機能の維持などの効果もあります。
ヘム鉄と非ヘム鉄
食物中の鉄には「ヘム鉄」と呼ばれる二価鉄と「非ヘム鉄」と呼ばれる三価鉄があります。
吸収率はヘム鉄が約15~25%、非ヘム鉄では吸収率がわずか2~5%です。
「ヘム鉄」の方が吸収率は5~6倍高くなっています。
ヘム鉄(二価鉄)はそのまま腸管で吸収することができます。
非ヘム鉄の三価鉄は結合している有機物が胃酸によって溶解し、ビタミンCなどの作用で二価鉄に還元されたのち腸管から吸収されます。
腸管で吸収された鉄は、小腸粘膜細胞で三価鉄になりアポフェリチンというたんぱく質と結合し、フェリチンとなります。
ヘム鉄
ヘム鉄の吸収率は約15~25%です。
胃壁や腸管を荒らさず、タンニンや食物繊維などの吸収阻害を受けずに吸収されます。
さらに過剰摂取の心配がなく、身体に優しい鉄分です。
非ヘム鉄
非ヘム鉄は吸収率がわずか2~5%です。
腸から吸収される際にタンニンや食物繊維などの吸収阻害を受けていたり、胃腸や腸管を荒らすといった副作用があります。
馬肉には「ヘム鉄」が含まれています。
鉄分にも種類があります。
鉄分は、体内に吸収されづらいものです。
そこで、吸収率が高い動物性の「ヘム鉄」を積極的に摂る必要があります。
しかし、一般的に安価な鉄分サプリメントは、「ピロリン酸鉄」や「クエン酸鉄」といった「非ヘム鉄」を使っている場合が多いのが現状です。
市販の非ヘム鉄の場合には、タンニンや食物繊維が鉄分の吸収を妨げるので注意が必要です。
タンニンを含むコーヒーや紅茶、緑茶などは、食事中や食後に飲むと余計に鉄分の吸収が悪くなってしまいます。
さらにダイエットのためにサプリメントなどで食物繊維を大量に摂取するのも避けた方が良いです。
馬肉に含まれているヘム鉄はタンニンや食物繊維などの吸収阻害を受けずに体に吸収できるので、気にせずコーヒーや食物繊維をとってダイエットを続けられます。
機能鉄と貯蔵鉄
体内の鉄は、ヘモグロビンやミオグロビンのように、酸素の運搬役としての役割を果たしている「機能鉄」の他に、肝臓や脾臓、骨髄などに貯蔵されている「貯蔵鉄」があります。
鉄が骨髄に運ばれると赤血球合成に利用されます。
肝臓や脾臓に運ばれると、フェリチンとして三価鉄の状態で貯蔵されます。
さらにフェリチンの凝集体であるヘモジデリンとしても蓄えられます。
機能鉄が不足すると、それを補うために貯蔵鉄が利用されます。
これが少なくなると、鉄欠乏による貧血を起こします。
血液検査で貧血と診断されなくても、この貯蔵鉄が減少している状態の人も多いと言われています。
男性や閉経後の女性には、貧血はほとんど見られないのですが、月経のある年代の女性や妊娠中の方は、欠乏しやすいので注意が必要です。
体内の鉄分布
成人のからだには約4g(4000mg)の鉄が存在します。
赤血球
ヘモグロビンに含まれて、酸素を運搬します。
分量:3000mg
割合:60~70%
肝臓・脾臓
フェリチンやヘモジデリンとして貯蔵される。
分量:1000mg
割合:20~25%
筋肉
ミオグロビンに含まれて、酸素を運搬・貯蔵。
分量:130mg
割合:3~5%
骨髄
フェリチンとして貯蔵される。
分量:130mg
割合:4%
血漿
トランスフェリンとして結合して運ばれる。
分量:4mg
割合:0.1%
※血液中(赤血球を除く)の鉄が減少すると、フェリチン中の鉄が輸送たんぱく質のトランスフェリンと結合し、血液中を運ばれていきます。
鉄の吸収促進と阻害
食品中の鉄の多くは、吸収されにくい三価鉄の非ヘム鉄であるため、鉄吸収に影響を及ぼす要因に注意する必要があります。
鉄の吸収を促進するもの
ビタミンC
三価鉄を二価鉄に還元し、吸収を高めます。
クエン酸
鉄を溶けやすくします。(キレート作用)
※キレート作用とは?
クエン酸は身体に吸収されにくいカルシウムやマグネシウム、鉄、亜鉛などの脂溶性のミネラルを水溶性に変え、吸収を良くします。これをキレート作用といいます。
動物性たんぱく質
ミートファクター
※ミートファクターとは?
動物性たんぱく質は、ヘム鉄が利用されるのを助け、非ヘム鉄の溶解を助ける働きがあります。
この働きをミートファクターと呼びます。
馬肉には動物性たんぱく質が豊富に含まれています。(アミノ酸スコア100)
鉄の吸収を阻害するもの
タンニン、フィチン酸
三価鉄が二価鉄に還元される前に結合して不溶性となり、鉄の吸収を阻害します。
タンニンを含むコーヒーや紅茶、緑茶などは、食事中や食後に飲むと余計に鉄分の吸収が悪くなってしまいます。
食物繊維
多量の食物繊維は、消化管内で、鉄をはじめとする陽(金属)イオンと結合して便中に排泄してしまいます。
ダイエットのためにサプリメントなどで食物繊維を大量に摂取する際には注意が必要です。
鉄の過剰症
鉄の吸収率は極めて低く、また腸粘膜にあるフェリチンという貯蔵鉄が鉄の吸収を調節(余った鉄は貯蔵されます)しているため、必要以上に吸収されることはほとんどありません。
それでも余った鉄は排泄されるので一般的な食事では過剰症の心配はありません。
しかし、サプリメント(鉄剤)などで必要以上に摂取すると、鉄が沈着するヘモクロマトーシスになる可能性があります。
※ヘモクロマトーシス
肝臓などの臓器の細胞に鉄が異常沈着し、肝機能障害を起こします。
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ビタミンB12
ビタミンB12は葉酸と一緒になって赤血球のヘモグロビンの合成を助けています。
不足すると造血がうまくいかず、赤血球の数が減ったり、異常に大きい赤血球ができたりと、生成がうまくいかなくなります。
そうすると全身に酸素が行きわたらなくなり、だるさや動悸・息切れなどが起こってしまいます。
これを「悪性貧血」と呼んでいます。
また、ビタミンB12はタンパク質や脂質のエネルギー化にも関わっているほか、脳の中枢神経や末梢神経の機能を正常に働かせる重要な役割もあります。
肩こりや腰痛には末梢神経が関係しているため、ビタミンB12には、痛みを軽くする働きもあります。
ビタミンB2
次のような効能があります。
皮膚や粘膜の健康維持を助ける
美容のビタミンとも呼ばれ、皮膚や粘膜を保護し、肌・爪・髪の発育や体全体の抵抗力を強め、成長と生殖を助ける働きをします。
ヒアルロン酸の持つ保水力を高める働き
みずみずしい肌をキープするのにも必須のビタミンです。
脂肪の代謝を助ける(脂肪の燃焼を促進)
脂肪を燃やしてエネルギーに変えるときに、補酵素として働きます。
脂肪が多い食べ物を多くとった時には、ビタミンB2も多めに摂ると、脂肪が次々と燃焼されるので、脂肪太りのダイエットには大きな効果があります。
血液サラサラ効果
体内の活性酸素と結びつくことで生まれる有害物質である過酸化脂質の分解に作用して、コレステロールや中性脂肪を減らす働きがあります。
ビタミンEは過酸化脂質ができるのを防ぐ働きを持っていますが、ビタミンB2はつくられた有害な過酸化脂質を分解・消去するのに役立ちます。
ビタミンB2が不足した場合
不足すると、口内炎など粘膜のトラブルや皮膚炎があらわれます。
ナイアシン
・皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きをします。
・ナイアシンは、糖質、脂質、たんぱく質の代謝に働き、細胞でエネルギーを産生する際に働く酵素を補助します。
・血行を改善して、脳神経の働きを良くする、コレステロールや中性脂肪を分解するなどの働きがあります。
・エストロゲン(卵黄ホルモン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)といった性ホルモンの合成に不可欠で、神経系統の健康維持と脳の正常機能を促します。
・末梢神経を広げる作用もあり、冷え性や肩こりなどの改善に効果があります。
・喘息患者の喘鳴(呼吸のたびに出るゼイゼイ音)を起こりにくくする効果があります。
・アルコールのもととなるアセトアルデヒドを分解する働きがあり、悪酔いや二日酔いの予防にも役立ちます。
ナイアシンが不足すると肌細胞の生まれ変わりがうまく行われなくなり、肌荒れになることがあります。
ナイアシン不足によって、細胞のエネルギーが不足することで、倦怠感を感じることもあります。
また、不足するとペラグラという症状が起きます。
日光を浴びやすい顔や手足を中心に炎症が起き、下痢などの胃腸障害を発症します。悪化すると、頭痛やうつなどの精神症状を生じます。
カリウム
次のような働きがあります。
細胞機能の維持
細胞が活動するためには、その内外に水分が必要です。
細胞内の水分(細胞内液)にはカリウムが、細胞外の水分(細胞外液)にはナトリウムがそれぞれ多く含まれています。
これらの濃度やバランスは、細胞の水分の量や浸透圧に影響を及ぼすので、細胞の膜にはカリウムとナトリウムをくみ出すポンプ機能がついていて、つねに適正な濃度を保つように調節されています。
すなわち、カリウムとナトリウムのどちらが欠けてもそのバランスがくずれ、生命活動の基本単位である細胞は機能しなくなります。
カリウムはナトリウムとともに生命活動そのものを維持しているともいえます。
両者のバランスが一定に保たれることによって、細胞内外の水分調節や物質交換が行われています。
余分なナトリウムの排泄(むくみ解消・高血圧予防)
カリウムは、体内のナトリウムが過剰になると、その排泄を促します。
カリウムは、細胞内のナトリウム量を調整し、余分なナトリウムと水分を細胞の外に排出します。
また、ナトリウムが腎臓で再吸収されるのを防ぎ、尿への排泄を促します。
そのため、カリウムを摂取することは、体内のナトリウム(塩分)の減少と、それによる血圧の正常化(高血圧の予防)、手足のむくみ解消に効果があります。
ナトリウムが過剰となり、カリウムが不足すると、血圧が上がりやすいうえ、心臓の筋肉や血管の働きが衰え、心臓病や脳血管障害の危険性が増します。
これを防ぐには、塩分の過剰摂取を控え、カリウムを十分摂ることが大切です。
むくみケア
むくみとは細胞内に余分な水分がたまってしまった状態のことです。
栄養素や酸素と一緒に細胞に運ばれた水分が、静脈やリンパ液の中にスムーズに回収されなくなるために起こります。
体内の水分調節をスムーズにしてむくみを防ぐうえで大切なのは、ナトリウムとカリウムのバランスです。
細胞内の水分は、ナトリウムがポンプ役となり、水を吸いあげて調節しています。
しかし、このポンプが正常に機能しないと細胞が水ぶくれ状態となり、むくみが起こります。
カリウムには、余分な水分を排出させることでナトリウムポンプを正常に機能させる働きがあります。
足のむくみは、その日のうちに解消することが重要です。
むくみを放置しておくと、周囲の毛細血管が圧迫され、むくみがさらに進行します。
それによって、ますます血行が悪くなります。
また、皮下脂肪の脂肪球という細胞が必要以上に水分を吸収して大きくなることもあります。
むくみを解消するには、カリウムの摂取、運動や入浴、マッサージで血液やリンパ液の循環を良くして、水分の排出をスムーズにしてあげるケアが大切です。
筋肉の収縮・弛緩
筋肉の収縮・弛緩の働きを正常に保つために働いています。
カリウムは細胞内の酵素反応を調節する働き役割があり、筋肉でのエネルギーづくりにも関与しています。
カリウムは筋肉細胞に60%近く含まれます。
神経の伝達
神経伝達を正常に保つために働いています。
美肌
カリウムはNMF(天然保湿因子)の構成成分です。
カリウムが不足した場合
カリウムが不足すると、高血圧、手足のむくみ、糖尿病、神経障害、精神障害、ストレス、食欲不振、筋力低下などの症状があらわれます。
カリウムの摂取量が不足していると、余分なナトリウムの排泄が滞るため、高血圧や手足のむくみを引き起こしやすくなります。
また、筋肉の働きが低下したり、けいれんを起こしたりします。
夏場に大量の汗をかくと、カリウムが汗とともに排出されて、低カリウム血症が起こり、疲れやすくなったり、無気力になったりすることがあります。
これは夏バテの原因にもつながります。
カルノシン
活性酸素を消去し、細胞を酸化損傷から保護する働きがあります。
動脈硬化、糖尿病を予防する働きがあります。
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