貧血の種類と対策【鉄欠乏性貧血・悪性貧血・溶血性貧血・再生不良性貧血・二次性貧血・出血性貧血】
≪貧血とは?≫
血液は、赤血球、白血球、血小板、血漿(けっしょう)からなりたっています。
このうち、酸素を運ぶ働きをするのが赤血球で、血液1mL中には約500万個の赤血球があります。
この赤血球が不足した状態が貧血です。
貧血状態では、酸素を運搬する能力が低下するため、各臓器に行き渡る酸素の量が不足します。
それを補うためには、心臓や肺が余分に働かなければならないため、心拍数が増え、呼吸数が多くなります。
顔色が悪い、立ちくらみ、動悸、息切れなどの症状が現れるのも、この理由からです。
≪貧血の種類≫【病院での治療が必要なもの】
食事やサプリメントで解決できませんので、病院で適切な治療を受ける必要があります。
- 溶血性貧血
- 再生不良性貧血
- 二次性貧血
- 出血性貧血
≪溶血性貧血≫
赤血球の寿命は通常120日ほどですが、それよりも赤血球が早く壊れてしまうために起こる貧血です。
溶血性貧血の詳しい内容は下の記事で紹介しています。
≪再生不良性貧血≫
赤血球を作る骨髄の造血能力自体が低下する貧血です。
脊髄の障害によって、骨髄の赤血球生成能力の低下が原因です。
再生不良性貧血の詳しい内容は下の記事で紹介しています
≪二次性貧血≫
腎臓病や肝臓病、内分泌疾患、膠原病、ガンなどの症状として起こる貧血です。
二次性貧血の詳しい内容は下の記事で紹介しています。
≪出血性貧血≫
外傷や消化官から大量に出血した後に血が薄くなり、貧血の状態になるものです。
≪貧血の種類≫【セルフケア可能な貧血】
食事やサプリメントで解決できるのは、次の2つの貧血です。
ただし、もっとも安全な貧血対策は病院に受診することですので、その点にご注意ください。
- 鉄欠乏性貧血
- 悪性貧血(巨赤芽球性貧血)
≪鉄欠乏性貧血と悪性貧血について≫
貧血には体内の鉄分が不足することから起こる「鉄欠乏性貧血」と赤血球そのものが欠乏することによる「悪性貧血」があります。
≪悪性貧血≫
悪性貧血とは?
「鉄分のサプリメントを飲んでいるけど、貧血がよくならない」といった方は、≪ビタミンB12≫や≪葉酸≫が不足していることで、悪性貧血を引き起こしている可能性が高いことがわかっています。
鉄分不足による貧血とは違い、赤血球そのものが不足すると、悪性貧血を引き起こします。
赤血球は4ヶ月で死滅しますが、新しい赤血球をつくるのに必要なビタミンB12や葉酸が足りないと、正常な赤血球ができず、悪性貧血になります。
また、≪ビタミンB6≫も赤血球を生成するために必要となります。
悪性貧血とは鉄分不足の貧血と違い、立ちくらみやめまいなどの症状のほかに、胃腸障害や頭痛、倦怠感などを引き起こし、症状が進行すると、神経障害や知覚障害などを引き起こすことがあります。
≪悪性貧血≫の予防や改善に必要な栄養素
[wp-svg-icons icon=”play-3″ wrap=”span”]ビタミンB12、葉酸
≪ビタミンB12≫
ビタミンB12は葉酸と一緒になって赤血球のヘモグロビンの合成を助けています。
不足すると造血がうまくいかず、赤血球の数が減ったり、異常に大きい赤血球ができたりと、生成がうまくいかなくなります。
そうすると全身に酸素が行きわたらなくなり、だるさや動悸・息切れなどが起こってしまいます。
これを「悪性貧血」と呼んでいます。
また、ビタミンB12はタンパク質や脂質のエネルギー化にも関わっているほか、脳の中枢神経や末梢神経の機能を正常に働かせる重要な役割もあります。
肩こりや腰痛には末梢神経が関係しているため、ビタミンB12には、痛みを軽くする働きもあります。
葉酸
葉酸の働き
≪悪性貧血予防≫
葉酸は丈夫な血管やきれいな血液づくりを支えます。
葉酸はビタミンB12とともに、補酵素として、赤血球をつくりだす働きがあります。
赤血球は4ヶ月で死滅しますが、新しい赤血球をつくるのに葉酸が足りないと、正常な赤血球ができず、悪性貧血になります。
悪性貧血とは鉄分不足の貧血と違い、立ちくらみやめまいなどの症状のほかに、胃腸障害や頭痛、倦怠感などを引き起こし、症状が進行すると、神経障害や知覚障害などを引き起こすことがあります。
≪美容効果≫
葉酸はアンチエイジングをサポートします。
代謝に関与していて、たんぱく質の生合成を促進します。
たんぱく質は全ての体内組織の原料となるので、新しくて良質のたんぱく質が増えればみずみずしい肌を保てます。
くすみやしわを抑え、美肌をもたらしてくれます。
≪血流改善≫
葉酸は、体内で活性酸素を生み出す物質であるホモシステインと結びつき、活性酸素の増加をストップし、血液の流れをスムーズにします。
血液の流れがスムーズになると「むくみ」や「冷え性」なども改善されます。
葉酸は赤血球をつくりだす働きがあり貧血予防に効果があるため、PMS (月経前症候群)にも効果的です。
≪鉄欠乏性貧血≫
女性は、日々の生活の中で鉄分を失っています。
偏った食生活
生野菜や果物だけなど特定の食べ物だけを食べるような極端なダイエット、ファーストフードやレトルト食ばかりの生活を続けると、鉄分や鉄分の吸収を向上させる様々な栄養素が足りなくなってしまいます。
タンニンや食物繊維は、鉄の吸収を妨げるので注意が必要です。
タンニンを含むコーヒーや紅茶、緑茶などは、食事中や食後に飲むと余計に鉄分の吸収が悪くなってしまいます。
さらにダイエットのためにサプリメントなどで食物繊維を大量に摂取するのも避けた方が良いです。
月経による出血
女性は月経がある分、男性よりも鉄分不足になりやすいです。
特に月経過多の人は早めに対処することが必要です。
妊娠・出産
妊娠すると、胎児に鉄分をとられることもあって、鉄分不足を起こしやすくなります。
出産後も、赤ちゃんを母乳で育てている人は、母乳からも鉄分が出ていくため不足がちになります。
≪鉄欠乏性貧血≫の予防や改善に必要な栄養素
[wp-svg-icons icon=”play-3″ wrap=”span”]鉄分(ヘム鉄)、動物性たんぱく質、ビタミンC、銅、クロロフィル
鉄分は摂取しても吸収しにくい栄養素です。
そのまま鉄分を摂取しても、実際に吸収されるのは、ごく一部だけです。
鉄分10mgを摂取しても、そのまま10mgすべてが吸収されるわけではありません。
鉄分サプリだけを飲んでいても貧血が改善されない場合も多いです。
鉄分の吸収を促進させる動物性たんぱく質やビタミンCなどが必要です。
鉄の吸収を促進するもの
ビタミンC
三価鉄を二価鉄に還元し、吸収を高めます。
クエン酸
鉄を溶けやすくします。(キレート作用)
※キレート作用とは?
クエン酸は身体に吸収されにくいカルシウムやマグネシウム、鉄、亜鉛などの脂溶性のミネラルを水溶性に変え、吸収を良くします。これをキレート作用といいます。
動物性たんぱく質
ミートファクター
鉄分の特徴
実は、鉄分は体内でつくられないもの
毎日の尿や汗などから、鉄分は失われています。
特に女性の場合は、月経や妊娠中の赤ちゃんの鉄分必要量により、より多くの鉄分が失われています。
鉄分は摂取しても吸収しにくい栄養素
そのまま鉄分を摂取しても、実際に吸収されるのは、ごく一部だけです。
鉄分を摂取しても、そのまますべてが吸収されるわけではない特徴があります。
ドラッグストアなどで≪鉄分のみ配合のサプリ≫だけを購入して飲んでいても貧血が改善されない場合も多いといわれています。
鉄分と一緒に摂取した方が良い栄養素
動物性たんぱく質、ビタミンC、銅、クロロフィル
≪動物性たんぱく質≫
鉄欠乏性貧血対策には、鉄の吸収を高める動物性たんぱく質を一緒に補うことが大切です。
≪ビタミンC≫
鉄欠乏性貧血対策には、鉄の吸収を高めるビタミンCを一緒に補うことが大切です。
≪銅≫
貧血予防
・銅は、鉄分から赤血球中のヘモグロビンという色素がつくられるときに働きます。
・銅は、腸からの鉄分の吸収をよくします。
鉄は、腸からの吸収が悪い成分なので、銅の存在は重要です。
・銅が不足すると、鉄がヘモグロビンにスムーズに合成されなくなり、鉄欠乏性貧血を起こします。
・ヘモグロビンは主な材料である鉄が十分であっても、銅がなければ正常に作られません。
銅がなければ、せっかく摂った鉄分も体内で使われることはありません。
貧血ぎみで鉄分を多く摂っている人には、必須のミネラルです。
貯蔵鉄のフェリチンが血清鉄として利用されるには、銅が必要となるため、銅が不足すると鉄欠乏性貧血になりやすくなります。
その他の銅の効能は下の記事でご紹介しています。
≪クロロフィル(葉緑素)≫
クロロフィルは、血液中で鉄と結合して赤血球やヘモグロビンに変わり、貧血の予防や改善効果があります。
また、クロロフィルは、体内に入ると、血管に中性脂肪がたまるのを防ぎ、血液の流れを改善する効果があります。
さらに、デトックス作用もあります。
老廃物は毒素なので、溜め込むと体に悪影響(むくみや肌荒れなど)を引き起こします。
その他にも、コレステロール値を下げ、血栓を防ぐ、細胞の強化、整腸作用、炎症鎮静などの多くの効果があります。
≪その他貧血ケアに必要な成分≫
[wp-svg-icons icon=”play-3″ wrap=”span”]ビタミンB2、ビタミンE、ビタミンA
≪ビタミンB6≫
≪貧血関係≫
・赤血球を生成する(貧血予防効果)
・月経前にイライラしたり、うつ状態になったり、頭痛に悩まされるといったPMS(月経前症候群)や「つわり」を軽減する。
≪たんぱく質の代謝関係≫
・皮膚や粘膜の健康維持を助ける
・たんぱく質の代謝を助ける
たんぱく質の材料となるアミノ酸を合成したり、分解したりする酵素を助ける補酵素として働きます。
・摂取したたんぱく質が体内で有効に利用されるためには、ビタミンB6の助けを借りることが必要です。
・たんぱく質をたくさん摂取している人や、サプリメントとしてプロテインを摂っている人は、ビタミンB6も同時に摂る必要があります。
・脂質の代謝をサポートして、肝臓に脂肪が蓄積するのを防ぐ
≪美容効果≫
『ビタミンB6は美容効果も◎』
・肌や髪の毛、爪など、古くなった細胞が再生するのを助ける役割を持っています。
≪神経系≫
・神経伝達物質の生成を助け精神状態を安定させる
神経細胞間で情報を伝達するアドレナリン・ドーパミン・セロトニン・GABAなどの神経伝達物質の生成に関わっています。
不足すると、神経の働きをよくするアミノ酸の代謝が停滞して、不眠症やうつ状態になることもあります。
≪免疫系≫
・免疫系を正常にして、アレルギー症状を抑える(ぜんそくや花粉症、慢性鼻炎)
・体外から侵入した病原体を攻撃して無力化させる免疫物質の「免疫グロブリン」を作るのに欠かせない成分です。
≪ホルモンバランス関係≫
ビタミンB6は、卵胞ホルモンの代謝に働きかけ、ホルモンのバランスを整えます。
このためホルモンのアンバランスから体調が崩れるPMS(月経前症候群)を改善する効果があります。
また、妊婦さんのつわりにも効果的です。
つわりの原因であるトリプトファンというアミノ酸の代謝不調を正常に整えてくれます。
ビタミンB6は赤ちゃんの脳神経系の発達にも関わるので、妊娠中はしっかりと摂ることが重要です。
≪ビタミンB6の不足≫
・ビタミンB6が不足すると、口内炎や口角炎、肌荒れ、湿疹、手足のしびれ、こむら返りなど、さまざまな症状が起きることがわかっています。
≪認知症や動脈硬化効果を抑制≫
ビタミンB6を葉酸やビタミンB12とともに摂取することで、認知症や動脈硬化の原因物質ホモシステインの増加が抑えられます。
≪ビタミンの相互作用≫
ビタミンB群の中でも、ビタミンB2、B6、ナイアシンはお互いに不可欠な存在です。
ビタミンB6は、ビタミンB2がなければ働くことができず、ナイアシンはビタミンB6なしでは役割を果たすことができません。
ビタミンB6が活性型に変わると時にはビタミンB2が必要です。
また、アミノ酸のひとつ、トリプトファンからナイアシンが合成されるときには、ビタミンB6が必要です。
≪ビタミンB2≫
ビタミンB6が活性型に変わると時にはビタミンB2が必要です。
ビタミンB6は、ビタミンB2がなければ働くことができません。
≪ビタミンE≫
ビタミンEの貧血予防効果は次のようなものがあります。
・赤血球の細胞膜を強化することから貧血予防に効果的です。
・ビタミンCの吸収を高めることで、結果的に鉄分の吸収率向上が期待できます。
・血行改善効果もあります。
末梢神経や毛細血管を広げて血行を促進し、自律神経を整えます。
また、善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールを減らして、血行を良くします。
≪ビタミンA≫
ビタミンAが十分でない場合には、ビタミンB、ビタミンEはその効果が発揮されません。
栄養素の潤滑油としても、ビタミンAを摂取することは大切です。
≪鉄分摂取上の注意点≫
鉄は大量に摂ると中毒症状を引き起こします。
1日25mg以上を長期間摂り続けると、疼痛(とうつう)や嘔吐、下痢やショック状態などの中毒症状が現れることがあります。
≪摂取の目安≫
鉄の所要量は成人男子で1日10mgです。
女性は月経によって1日0.5mg~1mgを余分に消費するため、不足がちになります。
女性の所要量は男性より多い12mgとなっています。
妊婦(前期)は15mg、妊婦(後期・授乳期)は20mgとなっています。
≪ローヤルゼリー、クマザサエキスが造血、貧血を予防≫
漢方では、血液を浄化させるために、カルシウムを十分に摂取することも大切とされています。
キクラゲにはその作用が十分に含まれると同時に、漢方的にも白キクラゲは血液浄化の薬効が特に優れているとされています。
料理に使用する他、煎じておいてあたためて飲むと効果的です。
造血作用をうながすには、漢方的に効果があるとされている栄養補助食品なども役立ちます。
ローヤルゼリーがその1つで、造血作用のほか、特に婦人科系疾患などによる貧血には効果的とされています。
同様にクマザサエキスにも造血作用がありますが、これはローヤルゼリーとは違い、末梢血管を拡張する働きがあるため、全身のすみずみまで酸素を送り込むことで貧血を予防・解消します。
≪貧血予防や改善におすすめなのは?≫
アルポカヒートスムージー
鉄分補給と温活ができるヒートスムージー
個人的にはこれがイチオシです。
ショウガ風味で、とても飲みやすかったです。
脚のムズムズで悩んでいるときのレスキューアイテムとして自分は活用しています。
なぜか、脚のムズムズが良くなります。(自分だけかもしれませんが。。)
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